鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理DXは何から始める?中小企業の成功事例

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目次

はじめに

「経理DXを進めたいが、何から始めればよいか分からない」

このような悩みを抱える中小企業は少なくありません。

近年はクラウド会計や経費精算システムなど、さまざまなDXツールが登場しています。しかし、実際にはシステムを導入しただけで大きな成果が出るわけではありません。

実際に経理DXで成果を出している企業を見ると、いきなり高機能なシステムを導入するのではなく、業務フローを整理し、小さな改善を積み重ねながら進めています。

本記事では、経理DXに成功した企業の共通点や実際の取り組み事例をもとに、中小企業でも実践しやすい進め方を解説します。

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経理DXに成功する会社は「ツール導入」から始めない

経理DXというと、

  • クラウド会計を導入する
  • AIを活用する
  • 電子帳簿保存法へ対応する
  • 最新システムへ切り替える

といったイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、経理DXに成功している企業は、最初からシステム選定を行っていません。

まず実施しているのは、

  • 現在の業務を整理する
  • 誰が何を担当しているか把握する
  • 業務のボトルネックを確認する
  • 属人化している業務を洗い出す

ことです。

例えば、

  • 請求書の回収が遅い
  • 経費精算の承認に時間がかかる
  • 会計入力が月末に集中している
  • 担当者しか処理方法を知らない

といった課題を把握しなければ、適切な改善策を選ぶことはできません。

成功している企業ほど、まず現状分析から始めています。

経理DX成功事例① 月次決算を25日から10日に短縮

ある中小企業では、紙の請求書や領収書を月末にまとめて回収していたため、試算表が完成するのは毎月20日〜25日頃でした。

売上や利益を確認できる頃には次の月の営業活動が進んでおり、数字を経営判断に活かしにくい状況でした。

そこで、

  • 請求書提出期限を設定
  • 銀行口座をクラウド会計と連携
  • 毎週会計処理を実施

という運用へ変更しました。

その結果、試算表の完成時期が翌月10日前後まで短縮され、利益状況や資金繰りを早期に把握できるようになりました。

経理DXの効果として最も大きいのは、入力作業の削減だけでなく、経営判断のスピード向上です。

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経理DX成功事例② 社長の経理作業を大幅に削減

創業間もない企業では、社長自身が請求書発行や入金確認、支払管理まで担当していることがあります。

ある企業では、毎月10時間以上を経理業務に費やしていました。

そこで、

  • 請求書発行の自動化
  • 銀行データ連携
  • クラウド会計の活用
  • 経理代行の導入

を実施しました。

その結果、社長が経理業務に使う時間を大幅に削減でき、本来注力すべき営業活動や採用活動へ時間を使えるようになりました。

経理DXは、経理担当者だけでなく経営者の時間を生み出す効果もあります。

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経理DX成功事例③ 属人化を解消して退職リスクを軽減

経理担当者が一人しかいない企業では、その担当者しか業務内容を把握していないケースがあります。

実際に、

  • 会計処理ルールが口頭でしか共有されていない
  • 請求書の保存場所が担当者しか分からない
  • 月次業務の手順が文書化されていない

という状況は珍しくありません。

ある企業では、

  • 業務マニュアルの整備
  • クラウド上での資料管理
  • 業務フローの標準化

を実施しました。

その結果、担当者が不在でも業務を継続できる体制が整い、退職リスクへの不安も大きく軽減されました。

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ステップ① 現在の経理業務を見える化する

経理DXの第一歩は業務の棚卸しです。

まずは、

  • 請求書の受領
  • 請求書発行
  • 入金確認
  • 支払業務
  • 経費精算
  • 会計入力
  • 月次決算

などの業務を書き出しましょう。

そのうえで、

  • 誰が担当しているか
  • どのタイミングで処理しているか
  • どのような方法で処理しているか

を整理します。

ここで業務の重複や無駄な作業が見つかることも少なくありません。

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ステップ② 資料回収ルールを整備する

経理担当者の時間を奪う原因の一つが資料回収です。

例えば、

  • 紙の領収書
  • メール添付の請求書
  • チャットで送られるPDF

など、提出方法がバラバラになっている企業もあります。

成功している企業では、

  • 請求書は専用メールアドレスへ送付
  • 領収書はアプリで提出
  • 提出期限を設定

などのルールを整備しています。

システム導入前に資料回収ルールを統一するだけでも、業務効率は大きく改善します。

合わせて読みたい:経理DXは紙ゼロ化から 中小企業の実践例

ステップ③ クラウド会計を活用する

業務の流れを整理した後に取り組みたいのがクラウド会計の活用です。

代表的なクラウド会計には、

  • freee
  • マネーフォワード クラウド

などがあります。

クラウド会計を活用すると、

  • 銀行口座との自動連携
  • クレジットカードとの自動連携
  • リアルタイムでの情報共有

が可能になります。

ただし、クラウド会計は導入するだけでは効果が出ません。

資料回収や運用ルールを整備したうえで活用することが重要です。

合わせて読みたい:クラウド導入すると、なぜ経理がグッと楽になるのか?

ステップ④ 月次決算を早める

経理DXの目的の一つは、会社の数字を早く把握できる体制を作ることです。

成功している企業では、

「月末締めから何日で試算表を確認できるか」

を重要な指標として考えています。

例えば、

  • 資料提出期限を設定する
  • 銀行データを自動連携する
  • 毎週経理処理を実施する

といった運用を取り入れることで、月次決算の早期化を実現しています。

合わせて読みたい:銀行データ自動連携で月次が早くなる理由

ステップ⑤ 属人化を解消する

経理DXは効率化だけではありません。

人に依存しない経理体制を作ることも重要です。

例えば、

  • 業務マニュアルを作成する
  • 処理ルールを統一する
  • クラウド上で情報共有する

といった対応です。

担当者の退職や休職が発生しても業務を継続できる体制づくりが重要になります。

合わせて読みたい:経理の属人化を解消する方法5選

経理DX前後の変化

項目DX前DX後
月次決算翌月20日以降翌月10日前後
資料回収紙中心データ中心
会計入力手入力中心自動連携活用
属人化高い低い
情報共有担当者依存クラウド共有
経営判断後手になりやすい早期対応可能

経理DXに成功した企業の共通点

成果を出している企業には共通点があります。

  • 小さな改善から始めている
  • 業務の見える化を行っている
  • システム導入を目的にしていない
  • 月次決算の早期化を重視している
  • 属人化解消に取り組んでいる

反対に、

「とりあえずシステムを入れる」

という進め方では、期待した成果につながりにくい傾向があります。

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まとめ

経理DXに成功している企業は、いきなり高機能なシステムを導入しているわけではありません。

まずは、

  1. 現在の業務を見える化する
  2. 資料回収ルールを整備する
  3. クラウド会計を活用する
  4. 月次決算を早める
  5. 属人化を解消する

という順番で改善を進めています。

重要なのは、DXを「システム導入」と考えるのではなく、「経理業務の仕組みづくり」と捉えることです。

小さな改善を積み重ねることで、経理業務の効率化だけでなく、経営判断のスピード向上にもつながります。

経理DXの進め方でお悩みなら

  • 経理担当者の採用が難しい
  • 月次決算が遅れている
  • クラウド会計を活用したい
  • 経理業務が属人化している
  • 何からDXを始めればよいか分からない

このようなお悩みがある場合は、まるまる経理へお気軽にご相談ください。

現状の業務フローを確認したうえで、貴社に合った経理DXの進め方や業務改善のポイントをご提案いたします。

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