鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経費精算アプリ導入で経理は何時間削減できるか

経費精算アプリ導入による経理作業の時間削減効果を解説する記事の表示画像
目次

1. 経費精算はなぜ時間がかかるのか

経費精算は、経理業務の中でも特に負担が大きい領域です。その理由は、ほとんどが 紙・手入力・属人化 によるものです。

  • 社員が領収書を月末にまとめて提出する
  • 経理担当者が手入力で仕訳を作成する
  • 紙の申請書を回覧し、押印して承認する
  • 不備があれば差し戻しが発生する
  • 電子帳簿保存法対応のために紙を保管する

この一連の流れは、30名規模の会社でも 月10〜30時間 を要することがあります。

→ 経理の属人化はなぜ危ない?会社に起こるトラブルと対策

2. 経費精算アプリ導入で削減できる時間

実際の導入企業のデータを見ると、削減効果は非常に大きいです。

  • 22時間 → 6時間(16時間削減)
  • 18時間 → 5時間(13時間削減)
  • 作業時間70%削減

平均すると、月10〜30時間の削減 が現実的なラインといえます。

3. 時間削減が実現する4つの理由

① OCRで入力作業が激減します

領収書やレシートを スマホで撮影するだけ で、 日付・金額・店名・支払方法などの情報が自動で読み取られます。

これにより、

  • 手入力のミスが大幅に減る
  • 経理担当者の入力時間が半分以下になる
  • 外出先でも処理できるため、月末に資料が溜まらない

といった効果が期待できます。

特に、紙の領収書が多い業種(建設・飲食・美容など)では 工数削減のインパクトが非常に大きい 仕組みです。

② 承認フローが電子化されます

これまで紙で回していた承認作業が、 すべて スマホ上で完結 するようになります。

  • 上長が外出中でも承認できる
  • 差し戻しもワンクリック
  • 承認履歴が自動で残る
  • 紙の紛失・滞留がゼロになる

結果として、 支払処理や経費精算のスピードが大幅に向上 し、 月次決算の遅延も防げます。

「誰がどこで止めているのか分からない」という 属人化の典型的な問題も解消できます。

③ 会計ソフトと自動連携します

OCRで読み取ったデータは、 会計ソフト(MFクラウド・freeeなど)と自動で連携され、 仕訳候補が自動生成 されます。

経理担当者は、

  • 内容を確認して
  • 必要なら修正して
  • ボタンを押すだけ

という“チェック業務”に集中できるようになります。

これにより、

  • 入力ミスが激減
  • 月次処理が早くなる
  • 経理担当者の負担が大幅に軽減

といった効果が得られます。

④ 電子帳簿保存法対応が自動化されます

電子帳簿保存法に必要な、

  • 電子データの保存
  • 検索要件
  • タイムスタンプ
  • 改ざん防止

といった要件を システム側で自動処理 できます。

そのため、

  • 紙の保管
  • 糊付け
  • ファイリング
  • 保管スペースの確保

といったアナログ作業が完全に不要になります。

結果として、 法令対応の不安がなくなり、経理の効率化とリスク管理が同時に実現 します。

→ クラウド導入すると、なぜ経理がグッと楽になるのか?

4. 導入効果が大きい会社の特徴

  • 社員数10名以上
  • 営業職が多い
  • 経理担当が1〜2名
  • 月次が遅れがち
  • 紙の領収書が多い

5. まとめ

経費精算アプリの導入は、単なるツールの置き換えではなく、 経理業務そのものの負担を大幅に軽減し、会社全体の生産性を底上げするDX施策 です。

紙の領収書を集める手間、手入力によるミス、承認の遅延、差し戻しの繰り返し…。こうした“ムダ”が積み重なることで、経理担当者は本来注力すべき業務に時間を割けなくなってしまいます。

経費精算アプリを導入することで、入力作業の自動化、承認フローの電子化、会計ソフトとの連携、電子帳簿保存法対応の効率化といった改善が一気に進み、月10〜30時間の削減 が現実的に実現できます。

さらに、経理担当者の負担が減ることで、月次決算の早期化・ミスの減少・属人化の解消 といった副次的な効果も期待できます。

経費精算は、会社の規模に関わらず必ず発生する業務だからこそ、DXの効果が最も分かりやすく現れる領域です。「経理の時間が足りない」「月次が遅れている」と感じている企業ほど、導入メリットは大きくなります。

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