鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理の月初業務を効率化!月次決算を早める方法

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月初は、経理担当者にとって最も忙しい時期です。

請求書や証憑の回収、入金確認、経費精算、仕訳入力、月次決算など、多くの業務が限られた期間に集中します。

その結果、

  • 毎月残業が続いている
  • 確認漏れや入力ミスが発生する
  • 月次決算が予定より遅れてしまう

といった悩みを抱える会社も少なくありません。

しかし、月次決算が遅れる原因は、単純な人手不足だけではありません。

実際には、月初業務の進め方や役割分担が整理されておらず、毎月同じところで手戻りや確認作業が発生しているケースが多く見られます。

月初業務を効率化し、毎月同じ流れで進められる仕組みをつくることで、月次決算は早まり、経営者も会社の数字をタイムリーに把握できるようになります。

この記事では、月次決算を早めるために、月初業務をどのように見直せばよいのかを解説します。

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目次

なぜ月初業務は忙しくなり、月次決算が遅れるのか

月初には、前月分の経理処理が一斉に集中します。

代表的な業務には、

  • 請求書や証憑の回収
  • 入金確認
  • 売掛金の消込
  • 経費精算
  • 仕訳入力
  • 月次決算

などがあります。

これらはそれぞれ独立した業務ではなく、前の工程が終わらなければ次の工程へ進めません。

例えば、請求書がそろわなければ仕訳入力はできず、仕訳入力が終わらなければ試算表も作成できません。

さらに、

「経費申請がまだ提出されていない」

「請求書が届いていない」

「入金確認が終わらない」

といった小さな遅れが積み重なることで、月次決算全体が後ろ倒しになってしまいます。

つまり、月次決算が遅れる原因は、作業量そのものではなく、業務の流れが整理されていないことにあるケースが少なくありません。

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月次決算が遅れる会社の共通点

毎月のように月次決算が遅れる会社には、いくつか共通した特徴があります。

業務の進め方が担当者ごとに違う

担当者によって作業の順番が異なると、確認漏れや二度手間が発生しやすくなります。

「まず請求書を確認する人」と「先に仕訳入力を始める人」が混在しているような状態では、業務品質も安定しません。


資料提出の期限が決まっていない

請求書や経費申請の提出期限が曖昧だと、経理担当者は毎月資料を集めるところから始めることになります。

資料がそろわなければ、その後の処理も進められず、結果として月次決算が遅れてしまいます。


全体の進捗を管理する人がいない

それぞれが自分の担当業務だけを進めていると、

「どこまで終わっているのか」

「どの工程で止まっているのか」

が分からなくなります。

進捗を管理する担当者やチェックリストがない会社では、気付かないうちに遅れが広がることも少なくありません。


属人化している

経理担当者しか業務内容を理解していない状態では、その担当者が休暇や退職しただけで月次決算が大きく遅れるリスクがあります。

月次決算を安定して早めるためには、「担当者が知っている」状態ではなく、「会社の仕組みとして回る」状態をつくることが重要です。

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月次決算を早めるには、月初業務の流れを固定することが重要

月次決算を早めるために最も重要なのは、月初業務を毎月同じ流れで進められるようにすることです。

もちろん、業種や会社の規模によって必要な業務は異なります。

例えば、製造業では棚卸、小売業では店舗売上の集計、建設業では工事原価の確認など、それぞれ特有の作業があります。

そのため、「正しい月初業務の流れ」は会社ごとに異なります。

大切なのは、自社の業務に合わせて処理の順番を決め、毎月同じ流れで進められる状態をつくることです。

例えば、一般的な中小企業であれば、次のような流れが一つの目安になります。

タイミング主な業務確認ポイント
1営業日請求書・証憑の回収必要資料がそろっているか確認する
2営業日入金確認・売掛金の消込未入金や差異がないか確認する
3営業日経費精算・仕訳入力証憑不足や入力漏れを確認する
4営業日残高確認・修正仕訳未収・未払や残高差異を確認する
5営業日試算表作成・月次報告経営者へ数字を共有する

これはあくまで一例ですが、業務の順番を決めるだけでも、「次に何をすればよいか」を考える時間が減り、確認漏れや手戻りを防ぎやすくなります。

また、請求書や経費申請の提出期限をあらかじめ決めておくことで、経理担当者が毎月資料を催促する負担も軽減できます。

月初業務を効率化する5つのポイント

月次決算を早めるためには、毎月の月初業務を標準化し、誰が担当しても同じ流れで進められる状態をつくることが重要です。

ここでは、多くの中小企業で取り組みやすい改善ポイントをご紹介します。

資料提出のルールを決める

月初業務が遅れる原因の一つは、必要な資料が期限までに集まらないことです。

請求書や領収書、経費申請について、

  • 提出期限
  • 提出方法
  • 提出先

を明確にしておくだけでも、資料回収にかかる時間を大きく減らせます。

経理担当者が毎月資料を催促する状況をなくすことが、月次決算の早期化につながります。


作業の順番を統一する

担当者ごとに作業の進め方が異なると、確認漏れや手戻りが発生しやすくなります。

例えば、

  • 請求書を確認してから仕訳入力を行う
  • 入金確認後に売掛金の消込を行う
  • 試算表を作成してから残高確認を行う

など、処理の順番を統一することで、業務品質も安定します。


担当者と役割を明確にする

「誰が何を担当するのか」が曖昧なままでは、確認漏れや作業の重複が起こりやすくなります。

また、担当者が急に休暇を取得した場合や退職した場合でも業務が止まらないよう、代替担当者も決めておくと安心です。

役割を明確にすることで、月初業務全体の進捗も管理しやすくなります。


他部署との連携ルールを整える

月初業務は経理部門だけでは完結しません。

営業や総務など関係部署にも、

  • 請求書の提出期限
  • 経費申請の締切日
  • 修正依頼への対応期限

などを共有しておくことで、経理担当者だけが資料を追いかける状況を防げます。

他部署との連携がスムーズになることも、月次決算を早めるための重要なポイントです。


毎月振り返りを行い、改善を積み重ねる

月初業務は、一度仕組みをつくって終わりではありません。

毎月、

  • 時間がかかった業務
  • 確認漏れが発生した工程
  • 他部署とのやり取りが多かった業務

などを振り返ることで、少しずつ改善を積み重ねられます。

最初から完璧な業務フローを目指すのではなく、自社に合った運用へ育てていくことが大切です。


改善は時間がかかる工程から始める

月初業務を効率化しようとすると、「すべてを一度に改善しなければならない」と考えてしまいがちです。

しかし、まずは毎月時間がかかっている工程から見直すだけでも、大きな効果が期待できます。

例えば、次のような課題がある場合は、それぞれ改善方法が異なります。

よくある課題改善方法の例
資料回収が遅い提出期限・提出方法を統一する
経費精算に時間がかかる申請方法や承認フローを見直す
月次決算が遅い業務の順番を固定し、締切日を設定する
属人化している業務マニュアルを整備し、役割を明確にする

重要なのは、「忙しい業務を頑張ること」ではなく、「忙しくなる原因を一つずつ減らすこと」です。


クラウドツールは仕組みを整えた後に活用する

月初業務を効率化するうえで、クラウド会計や経費精算システムなどの活用は有効です。

例えば、

  • 手入力を減らす
  • データ共有をスムーズにする
  • 証憑管理を効率化する

といった効果が期待できます。

ただし、ツールを導入するだけで月次決算が早くなるわけではありません。

提出ルールや業務フローが整理されていなければ、新しいシステムを導入しても以前と同じ運用を続けてしまい、期待した効果を得られないことがあります。

まずは業務の流れを整え、そのうえでクラウドツールを活用することが重要です。

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公認会計士の視点

これまで多くの中小企業の経理体制を支援してきましたが、月次決算が遅れる会社ほど、会計処理そのものよりも「月初業務の進め方」に課題があるケースを多く見てきました。

例えば、

  • 資料提出日が決まっていない
  • 作業順序が担当者によって異なる
  • 確認事項が担当者の頭の中にしかない

このような状態では、担当者がどれだけ経験豊富でも、毎月同じ問題が繰り返されます。

一方で、業務フローを整理し、「いつ・誰が・何をするか」を明確にした会社では、月次決算が数日早まり、経営者がタイムリーに数字を把握できるようになった事例も少なくありません。

月初業務を改善することは、経理担当者の負担を軽減するだけでなく、経営判断を早めるための土台づくりにもつながります。

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よくある質問

月次決算は何営業日以内に終えるのが理想ですか?

会社の規模や業種によって異なりますが、多くの中小企業では3〜5営業日以内を一つの目安としています。

小規模な会社でも月初業務を標準化する必要がありますか?

はい。担当者が少ない会社ほど、一人に業務が集中しやすいため、標準化による効果は大きくなります。

クラウド会計を導入すれば月次決算は早くなりますか?

クラウド会計は効率化に役立ちますが、それだけで月次決算が早くなるわけではありません。業務フローや社内ルールもあわせて見直すことが重要です。

月初業務はマニュアル化した方がよいですか?

おすすめします。担当者が変わっても同じ流れで業務を進められるようになり、引き継ぎや休暇時の対応もしやすくなります。


まとめ

月次決算を早めるためには、人手を増やす前に、まず月初業務の進め方を見直すことが重要です。

特に、

  • 業務全体の流れを整理する
  • 作業の順番を統一する
  • 資料提出ルールを決める
  • 担当者と役割を明確にする
  • 毎月改善を積み重ねる

といった取り組みを行うことで、確認漏れや手戻りを減らし、月次決算をより早く、安定して進められるようになります。

最初から完璧な仕組みを目指す必要はありません。まずは現在の月初業務を書き出し、自社に合った業務フローを整えることから始めてみましょう。

月初業務の改善や月次決算の早期化、経理体制の見直しをご検討中の方は、まるまる経理へお気軽にご相談ください。公認会計士が現状の課題を整理し、貴社に合った経理体制づくりや業務改善をご提案いたします。

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