鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理代行の費用はいくら?料金相場と内訳を解説

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経理代行を検討する際、「実際にいくらかかるのか」は、契約前に確認しておきたい重要なポイントです。

ただし、経理代行の料金は一律ではありません。

記帳など一部の業務だけを依頼する場合と、請求書管理、支払準備、給与計算、月次決算支援まで依頼する場合とでは、必要な作業量が大きく異なります。

また、同じ業務を依頼する場合でも、仕訳件数、請求書や支払予定の件数、従業員数、資料の管理状態などによって料金は変わります。

そのため、「相場はいくらか」だけでなく、「自社ではどの業務を、どのくらいの量で依頼するのか」を整理したうえで比較することが大切です。

この記事では、経理代行の費用の考え方、料金が決まる主な要素、見積もりを比較する際の確認ポイントを解説します。

経理代行のサービス内容や導入までの流れから確認したい方は、以下の記事をご覧ください。

合わせて読みたい:経理代行とは?業務内容・導入の流れを解説

目次

経理代行の費用は月額数万円から数十万円まで幅がある

経理代行の費用は、記帳など一部の業務だけを依頼する場合と、日常的な経理業務や月次決算支援までまとめて依頼する場合とで大きく異なります。

そのため、一律の相場を示すことは難しく、月額数万円から数十万円まで幅があります。

依頼範囲別に見た料金イメージ

依頼内容費用のイメージ主な業務内容向いている会社
記帳を中心に依頼する月額数万円程度から仕訳入力、帳簿作成入力作業を中心に外注したい会社
日常的な経理業務をまとめて依頼する月額10万円前後となる場合がある記帳、請求書管理、入金確認、支払準備、経費精算など社内の日常的な経理負担を減らしたい会社
月次決算や経理体制の整備まで依頼する月額10万円台から数十万円となる場合がある日常経理、月次資料の作成、月次決算支援、業務フローの整理など月次の早期化や経理体制の改善まで進めたい会社

※上記は、依頼範囲による料金の違いを説明するための目安です。実際の料金は、業務量、資料の状態、サポート内容、契約条件などによって異なります。

支払準備には、支払予定表や振込データの作成などが含まれる場合があります。

ただし、支払いの最終承認と振込実行は、会社側が行う場合があります。どこまで依頼できるかは、契約前に確認しましょう。

同じ料金でもサービス内容は異なる

同じ月額料金でも、基本料金に含まれる業務はサービスによって異なります。

例えば、あるサービスでは次の業務まで含まれている場合があります。

  • 記帳
  • 請求書の発行・管理
  • 入金確認
  • 支払予定表・振込データの作成
  • 経費精算

一方で、記帳のみが基本料金に含まれ、請求書管理や給与計算、月次資料の作成はオプションとなっている場合もあります。

そのため、料金を比較する際は、月額料金だけでなく、次の点を確認することが重要です。

  • 基本料金に含まれる業務
  • 会社側に残る作業
  • 業務量の上限
  • 追加料金が発生する条件
  • 初期費用の有無
  • サポートの範囲

月額料金だけを見て契約すると、必要な業務を追加した結果、当初の想定よりも費用が高くなる場合があります。

経理代行にかかる費用の主な内訳

経理代行を利用する際の費用は、毎月支払う基本料金だけとは限りません。

主な内訳を整理すると、次のようになります。

費用の種類主な内容
月額基本料金契約範囲に含まれる日常的な経理業務の費用
初期費用業務整理、初期設定、データ移行など、導入時に発生する費用
オプション・追加料金件数超過、給与計算、年次業務、急ぎの対応などにかかる費用
システム利用料会計ソフト、請求書システム、経費精算システムなどの利用料
個別対応費用過年度の修正、未処理取引の整理、業務改善などにかかる費用

どの費用が月額基本料金に含まれるかは、サービスや契約内容によって異なります。

見積書を確認する際は、月額料金だけでなく、初期費用、追加料金、システム利用料などを含めた総額を確認しましょう。

経理代行の料金を決める主な要素

経理代行の料金は、会社の売上規模だけで決まるものではありません。

主に次の要素によって、必要な作業時間や確認工数が変わります。

依頼する業務範囲

料金への影響が大きいのは、経理代行へ依頼する業務の範囲です。

代表的な業務には、次のようなものがあります。

  • 記帳
  • 請求書の発行・管理
  • 入金確認
  • 支払予定表・振込データの作成
  • 経費精算
  • 売掛金・買掛金の管理
  • 給与計算
  • 月次資料の作成・月次決算支援
  • 経理業務の整理

記帳だけを依頼する場合と、日常的な経理業務や月次決算支援まで依頼する場合とでは、必要な工数が異なります。

また、経理代行側が行う作業だけでなく、会社側にどの程度の資料提出、確認、承認作業が残るのかも確認しましょう。

毎月の業務量

同じ業務を依頼する場合でも、処理件数が増えれば、入力や確認に必要な時間も増えます。

見積もりでは、例えば次の項目が確認されます。

  • 月間の仕訳件数
  • 請求書の発行件数
  • 入金確認の件数
  • 支払予定の件数
  • 経費精算の件数
  • 売掛金・買掛金の管理件数
  • 給与計算の対象人数

自社の業務量を整理してから見積もりを依頼すると、料金の前提条件を比較しやすくなります。

資料の管理状態と運用方法

資料の保存方法や現在の経理体制も、料金に影響します。

例えば、銀行口座やクレジットカードが会計ソフトと連携され、請求書や領収書の保存場所が統一されていれば、情報を確認しやすくなります。

一方で、次のような状態では、資料整理や確認に時間がかかる場合があります。

  • 紙の資料が多い
  • Excelと会計ソフトに情報が分散している
  • 部署ごとに資料の保存方法が異なる
  • 証憑と会計データを照合しにくい
  • 不明な取引が多い

クラウド会計を利用しているかどうかだけでなく、実際にどのような運用が行われているかが重要です。

サポート内容と確認体制

料金を比較する際は、作業の範囲だけでなく、確認体制やサポート内容も確認します。

例えば、次のような違いがあります。

  • 複数人による確認が行われるか
  • 専門家が関与するか
  • チャットやWeb会議で相談できるか
  • 月次資料について説明を受けられるか
  • 業務フローの見直しに対応しているか

料金が安くても、会社側に多くの確認作業が残る場合は、期待したほど社内負担が減らない可能性があります。

料金が決まる要素や見積書の比較方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

合わせて読みたい:経理代行の見積もりを解説|料金が決まる7つのポイント

依頼内容別の費用の考え方

売上高が同じ会社でも、取引件数や従業員数、依頼する業務によって経理代行の費用は変わります。

ここでは、売上規模ではなく、依頼内容ごとの考え方を整理します。

記帳を中心に依頼する場合

会計ソフトへの仕訳入力を中心に依頼する場合は、日常的な経理業務をまとめて依頼する場合と比べて、費用を抑えやすくなります。

ただし、記帳に必要な資料の整理や取引内容の確認は、会社側で行うことがあります。

料金を比較する際は、次の点を確認しましょう。

  • 月間の仕訳件数
  • 証憑の提出方法
  • 不明取引の確認方法
  • 月次資料の作成が含まれるか
  • 会社側に残る作業

日常的な経理業務をまとめて依頼する場合

記帳に加えて、請求書管理、入金確認、支払準備、経費精算などを依頼すると、社内の日常的な作業を減らしやすくなります。

一方で、取引内容の説明、請求金額の決定、支払いの最終承認、振込実行などは、会社側が担当する場合があります。

どの業務を経理代行側が行い、どの業務を会社側に残すのかを、見積書や業務範囲表で確認することが大切です。

月次決算や経理体制の整備まで依頼する場合

月次資料の作成や月次決算支援、経理フローの整理まで依頼する場合は、日常的な処理だけを依頼する場合よりも業務範囲が広くなります。

例えば、次のような支援が含まれることがあります。

  • 月次資料の作成
  • 売掛金・買掛金残高の確認
  • 未処理取引の整理
  • 月次締めスケジュールの見直し
  • 資料提出ルールの整理
  • 経理業務の役割分担の整理

採用、外注、経理代行のどの方法で経理体制を整えるか迷っている方は、以下の記事も参考にしてください。

合わせて読みたい:中小企業の経理体制の作り方|採用・外注・経理代行の選び方

経理代行の料金を比較するときの確認ポイント

経理代行の料金を比較する際は、金額だけでなく、その料金に含まれる業務と契約条件を確認します。

月額料金だけで比較しない

同じ月額料金でも、対応する業務やサポート内容は異なります。

料金だけを見て契約すると、必要な業務が基本料金に含まれておらず、追加契約が必要になる場合があります。

まずは、自社が依頼したい業務を整理し、その業務が見積もりに含まれているかを確認しましょう。

基本料金に含まれる業務を確認する

契約前には、基本料金で対応してもらえる業務を一覧で確認します。

特に確認したい項目は次のとおりです。

  • 記帳
  • 請求書の発行・管理
  • 入金確認
  • 支払予定表・振込データの作成
  • 経費精算
  • 売掛金・買掛金の管理
  • 給与計算
  • 月次資料の作成・月次決算支援

支払準備を依頼する場合は、経理代行側が対応する範囲と、会社側が行う最終承認・振込実行の役割を確認します。

また、年次決算書の作成、税務申告書の作成、税務相談は、日常的な経理代行の契約に含まれているとは限りません。

税務代理、税務書類の作成、税務相談は、原則として税理士等が行う業務です。これらを外部へ依頼する場合は、税理士または税理士法人との契約についても確認しましょう。

業務量の上限を確認する

基本料金には、仕訳件数や請求書件数などの上限が設定されている場合があります。

例えば、月間の処理件数が契約上の上限を超えると、超過料金が発生することがあります。

見積書では、金額だけでなく、どの業務が何件まで含まれているかも確認しましょう。

追加料金が発生する条件を確認する

仕訳件数や請求書件数が契約上の上限を超えた場合や、給与計算、年次業務、急ぎの対応などを追加した場合は、別途料金が発生することがあります。

年末調整などの年次業務は、経理代行会社の資格体制や契約内容によって対応範囲が異なります。

追加料金の有無だけでなく、誰が対応する業務なのかも確認することが大切です。

追加料金が発生する具体的な条件については、以下の記事をご覧ください。

合わせて読みたい:経理代行の見積もりで追加料金になる要注意項目5選

契約条件もあわせて確認する

見積もりを比較する際は、料金以外の契約条件も確認します。

  • 契約期間
  • 自動更新の有無
  • 解約の申出期限
  • 初期費用
  • 最低利用期間
  • 契約終了時のデータ返却
  • 追加料金の計算方法

料金が安くても、自社が必要とする業務が含まれていなければ、導入後のミスマッチにつながります。

経理代行を選ぶ際の注意点については、以下の記事も参考にしてください。

合わせて読みたい:経理代行で失敗しないための完全ガイド|導入前後に知っておきたい注意点

経理代行の費用対効果は総コストで考える

経理代行が高いかどうかは、月額料金だけでは判断できません。

社内で経理業務を行う場合は、給与だけでなく、次のような費用や負担も発生します。

  • 採用費
  • 社会保険料
  • 教育にかかる時間と費用
  • 退職後の再採用コスト
  • 経営者や社員が経理に使う時間
  • 業務が特定の担当者へ集中するリスク
  • 月次決算が遅れることによる影響

経理代行の月額料金と、自社で経理体制を維持するための総コストを比較することが大切です。

費用対効果を判断する際の具体的な考え方については、以下の記事で解説しています。

合わせて読みたい:経理代行は高い?費用対効果を判断するポイントを解説

経理代行で削減できるコストと残るコストを確認する

経理代行を利用しても、経理に関するすべての費用がなくなるわけではありません。

例えば、採用や教育にかかる費用、社内の入力作業に使っていた時間などは、削減できる可能性があります。

一方で、次のような業務や費用は会社側に残る場合があります。

  • 資料を提出する作業
  • 取引内容への回答
  • 請求金額の決定
  • 支払いの最終承認
  • 振込実行
  • 会計ソフトなどの利用料
  • 税理士との契約費用

どのコストを削減でき、どの作業が会社側に残るのかを確認したうえで、費用対効果を判断しましょう。

合わせて読みたい:経理代行で削減できるコスト・削減できないコスト

クラウド会計の導入費用が別にかかる場合がある

経理代行の導入にあわせて、クラウド会計や請求書発行システムなどを導入する場合は、経理代行の月額料金とは別に費用が発生することがあります。

例えば、次のような費用です。

  • クラウド会計の利用料
  • 初期設定費用
  • データ移行費用
  • 銀行口座やクレジットカードの連携設定
  • 操作方法の説明や社内研修
  • 運用ルールの整理

クラウド会計を導入する場合は、経理代行の料金だけでなく、システム利用料や初期設定に必要な費用も含めて確認しましょう。

合わせて読みたい:クラウド会計の導入費用|料金相場と導入方法

経理業務全体のデジタル化や業務フローの見直しを進めたい方は、以下の記事も参考にしてください。

合わせて読みたい:中小企業の経理DX|導入のための実践7ステップ

まとめ|料金だけでなく、依頼範囲と見積もり条件を確認する

経理代行の費用は、月額数万円から数十万円まで幅があります。

料金を左右する主な要素は次のとおりです。

  • 依頼する業務範囲
  • 仕訳や請求書などの処理件数
  • 従業員数や給与計算の対象人数
  • 資料の管理状態
  • 使用するシステム
  • 確認体制やサポート内容

売上規模だけを見ても、自社の費用を正確に判断することはできません。

まずは依頼したい業務と現在の業務量を整理し、次の点を確認したうえで見積もりを比較しましょう。

  • 基本料金に含まれる業務
  • 会社側に残る作業
  • 業務量の上限
  • 追加料金が発生する条件
  • 初期費用
  • 契約条件

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