経理代行を導入すると、会社はどのように変わるのでしょうか。
「経理担当者の負担が減る」「経理業務を任せられるようになる」というイメージはあっても、実際にどのような効果が期待できるのか、導入する価値があるのかまでは分かりにくいものです。
実際には、経理代行は単に作業を外部へ依頼するサービスではありません。経理業務の属人化を防いだり、月次決算を早めたり、経営者が本業へ集中できる時間を確保したりと、会社全体の経営にも良い影響を与えることがあります。
一方で、導入すればすべての課題が解決するわけではなく、会社の状況によって得られる効果は異なります。
そのため、導入を検討する際は「どんな効果が期待できるのか」と同時に、「自社に合っているのか」という視点も重要です。
この記事では、経理代行を導入することで会社がどのように変わるのか、代表的な導入効果や導入を検討する際の考え方について解説します。
経理代行を導入すると会社はどう変わる?
経理代行を導入すると変わるのは、経理担当者の業務負担だけではありません。
中小企業では、経理担当者が一人しかいない「一人経理」や、社長・総務担当者が経理を兼務しているケースも多く見られます。
こうした状況では、経理業務が特定の人へ集中しやすく、業務が属人化したり、本来取り組むべき業務へ十分な時間を確保できなかったりすることがあります。
経理代行を活用することで、次のような変化が期待できます。
| 導入前 | 導入後 |
|---|---|
| 社長が経理を兼務している | 本業や経営判断へ時間を使いやすくなる |
| 担当者しか業務内容を把握していない | 業務を標準化しやすくなる |
| 月次決算が遅れがち | 数字をタイムリーに把握しやすくなる |
| 採用活動が進まない | 必要な業務だけ専門スタッフへ依頼できる |
| 紙や手作業が多い | クラウド会計を活用した運用へ移行しやすい |
もちろん、これらの効果は依頼する業務範囲や会社の状況によって異なります。
そのため、「導入すれば必ず改善する」と考えるのではなく、自社の課題を整理したうえで導入を検討することが大切です。
合わせて読みたい:経理代行の成功事例5選 課題別に解説
導入効果① 本業へ集中できる時間が増える
経理業務は、毎日少しずつ発生する定型業務の積み重ねです。
請求書の発行、支払い、記帳、経費精算など、一つひとつは短時間でも、毎月継続して対応する必要があります。
中小企業では、これらを社長や総務担当者が兼務していることも多く、
- 営業活動に十分な時間を使えない
- 人材採用や育成へ手が回らない
- 経営改善を考える時間が取れない
といった状況になってしまうことがあります。
経理代行を導入し、定型業務を外部へ任せることで、社内の人材は利益を生み出す業務へ集中しやすくなります。
特に経営者が経理を兼務している会社では、時間的な効果を実感しやすいでしょう。
合わせて読みたい:経理代行が向いている会社・向いていない会社とは?導入判断のポイントを解説
導入効果② 経理業務の属人化を防ぎやすくなる
経理担当者が一人しかいない会社では、「担当者しかやり方が分からない」という状態になりやすくなります。
この状態で担当者が退職・休職すると、支払いや会計処理、月次決算などの業務が止まってしまう可能性があります。
経理代行を活用すると、担当者だけに依存しにくい経理体制を整えやすくなり、経理業務を継続しやすくなります。
経理代行で改善できる範囲と、外部委託だけでは解決しにくい課題については、以下の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい:経理代行で改善できること・できないこととは?導入前に知っておきたいポイント
導入効果③ 数字をタイムリーに把握しやすくなる
会社を経営するうえで重要なのは、売上や利益をできるだけ早く把握することです。
しかし、
- 記帳が後回しになっている
- 領収書が月末まで集まらない
- 入力作業が追いつかない
といった状況では、月次決算が遅れ、経営判断も遅れてしまいます。
経理業務を継続的に処理できる体制を整えることで、毎月の数字をタイムリーに確認しやすくなります。
また、クラウド会計を活用している場合は、経理代行と組み合わせることで、より効率的な運用につながるケースもあります。
ただし、効果を高めるためには、資料提出のタイミングや社内フローの見直しなど、会社側の協力も欠かせません。
経理体制を見直すことで、利益や資金繰り、業務効率にどのような変化が生まれるのかについては、経理体制を見直すと会社はどう変わる?利益・資金繰り・生産性を改善する方法 で詳しく紹介しています。
合わせて読みたい:経理代行の投資対効果とは?導入後の改善効果を数字で検証
導入効果④ 採用しなくても経理体制を整えられる
近年は経理経験者の採用が難しく、「募集しても応募が集まらない」「採用まで時間がかかる」という悩みを抱える企業も少なくありません。
そのような場合、新たに人を採用するだけが選択肢ではありません。
必要な業務だけを外部へ依頼することで、採用活動を続けながら経理業務を安定して進めることも可能です。
もちろん、会社によっては採用した方が適している場合もあります。
重要なのは、「採用か外注か」という二択ではなく、自社にとって無理のない経理体制を構築することです。
合わせて読みたい:中小企業の経理体制の作り方|採用・外注・経理代行の選び方
導入効果が出やすい会社の特徴
経理代行は、どの会社でも同じ効果が得られるわけではありません。
特に次のような課題を抱えている会社では、導入効果を実感しやすい傾向があります。
社長や総務担当者が経理を兼務している
本来であれば営業や経営判断に時間を使うべき経営者が、記帳や支払い、請求書管理などの業務に多くの時間を割いている場合は、経理代行を活用することで本業へ集中しやすくなります。
経理担当者が一人しかいない
一人経理では、担当者の退職や休職によって経理業務が止まるリスクがあります。
経理代行を活用しながら業務を共有することで、属人化を防ぎやすくなります。
経理担当者を採用できない
近年は経理経験者の採用が難しく、人材不足に悩む企業も少なくありません。
採用だけにこだわらず、必要な業務を外部へ依頼することで、安定した経理体制を構築できる場合があります。
合わせて読みたい:中小企業の経理体制の作り方|採用・外注・経理代行の選び方
導入前に知っておきたいこと
経理代行は多くのメリットが期待できますが、「導入すればすべて解決するサービス」ではありません。
例えば、
- 経営判断そのものを代行することはできない
- 社内でしかできない承認業務は残る
- 必要な資料を適切に共有する体制は必要
- 業務範囲を明確にしておく必要がある
といった点は理解しておく必要があります。
また、会社によっては「まず社内の業務フローを整理した方が良い」ケースもあります。
そのため、導入前には「どの業務を依頼したいのか」「社内に残す業務は何か」を整理しておくことが大切です。
導入効果を高めるためのポイント
経理代行の効果は、導入するだけで自動的に得られるものではありません。
効果を高めるためには、社内と外部が連携しやすい体制をつくることが重要です。
例えば、
- 必要な資料を期限までに共有する
- 業務の担当範囲を明確にする
- クラウド会計を活用する
- 定期的に業務内容を見直す
といった取り組みを行うことで、よりスムーズな運用につながります。
また、会社の成長に合わせて依頼内容を見直すことも重要です。
創業当初は記帳だけを依頼し、事業拡大に合わせて請求書管理や給与計算まで依頼するなど、必要に応じて活用方法を変える企業も少なくありません。
合わせて読みたい:中小企業の経理DX|導入のための実践7ステップ
経理代行を導入するか迷っている会社へ
「本当に導入効果があるのか」「自社にも合うのか」と迷うことは珍しくありません。
そのような場合は、次の3つを確認してみましょう。
- 社長や担当者が経理業務に多くの時間を使っていないか
- 経理担当者が退職した場合でも業務を続けられるか
- 月次決算や経営数字をタイムリーに確認できているか
これらのいずれかに課題がある場合は、現在の経理体制を見直すタイミングかもしれません。
一方で、すでに業務が標準化され、人員体制にも余裕がある会社では、すぐに導入する必要がないケースもあります。
重要なのは、「経理代行を導入すること」ではなく、「自社に合った経理体制を構築すること」です。
合わせて読みたい:経理代行とは?業務内容・導入の流れを解説
まとめ
経理代行の導入効果は、単に経理業務の負担を減らすことだけではありません。
社長や担当者が本業へ集中できるようになったり、属人化を防ぎやすくなったり、数字を早く把握できる体制づくりにつながったりと、会社全体へさまざまな効果が期待できます。
一方で、導入すればすべての課題が解決するわけではありません。
会社の課題や経理業務の状況を整理し、自社に合った業務範囲や運用方法を検討することで、より高い導入効果を期待できます。
経理代行を検討する際は、「費用」だけではなく、「会社全体にどのような変化をもたらすか」という視点で判断することが大切です。
合わせて読みたい:経理代行で失敗しないための完全ガイド|導入前後に知っておきたい注意点
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