鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理代行の成功事例5選 課題別に解説

経理代行の成功事例5選、人手不足、属人化、月次決算の遅れの改善を解説する記事の表示画像

経理代行を検討している企業の多くは、「自社と似た会社はどのような理由で導入しているのか」「実際にどのような効果があったのか」を知りたいのではないでしょうか。

経理代行というと、単純に人手不足を補うサービスというイメージを持たれることがあります。しかし実際には、経理担当者の退職対応、属人化の解消、月次決算の早期化、経理体制の整備など、さまざまな課題解決のために活用されています。

また、導入効果が出ている企業の多くは、単に業務を外部へ委託するだけではなく、業務フローの整理やクラウドツールの活用も同時に進めています。

この記事では、経理代行の代表的な導入事例を課題別に紹介します。

目次

経理担当者の退職をきっかけに導入した事例

経理代行の導入理由として多いのが、経理担当者の退職です。

特に中小企業では、一人の担当者が請求書処理や会計入力、支払管理、月次資料の作成まで幅広く担当していることがあります。そのため、担当者が退職すると経理業務全体が不安定になり、場合によっては支払漏れや月次資料の遅延が発生することもあります。

後任採用がすぐに決まるとは限らず、十分な引き継ぎ期間を確保できないケースも少なくありません。

解決した事例

ある企業では、10年以上勤務していた経理担当者の退職が決まりました。

請求書の受領から会計ソフトへの入力、売掛金の入金確認、支払予定表の作成、インターネットバンキングの振込データ作成まで、ほぼすべての経理業務を一人で担当していたため、退職後の運営に大きな不安を抱えていました。そこで経理代行を導入し、請求書管理、マネーフォワードへの仕訳入力、売掛金管理、支払データ作成などを外部へ委託しました。

その結果、担当者退職後も経理業務を止めることなく継続できただけでなく、担当者しか分からなかった業務手順の整理も進み、属人的な体制から脱却することができました。

合わせて読みたい:経理担当が退職・休職したとき、経理代行は“つなぎ”として使える?

人手不足を補うために導入した事例

経理担当者が不足している企業でも、経理代行はよく活用されています。

特に従業員数が少ない企業では、総務担当者や営業事務担当者が経理業務を兼任しているケースも珍しくありません。

請求書発行、経費精算、会計入力、入金確認などの業務が月末月初に集中すると、本来の業務に十分な時間を割けなくなり、残業や処理遅延の原因になります。

解決した事例

従業員20名程度の企業では、総務担当者が経理業務も兼任していました。

毎月100件以上の請求書処理や経費精算、会計入力を行っていたため、月末月初になると残業が常態化していました。そこで請求書発行、売掛金管理、経費精算チェック、会計ソフトへの入力業務を経理代行へ委託しました。

その結果、社内担当者は本来担当すべき総務業務へ集中できるようになり、経理処理の遅延も解消されました。限られた人員の中でも安定したバックオフィス運営が可能になった事例です。

合わせて読みたい:経理は社員を採用する? それとも経理代行サービスに任せる?

属人化を解消した事例

経理業務は長期間同じ担当者が担当することが多く、属人化しやすい業務の一つです。

担当者しか処理方法を知らない状態になると、休職や退職が発生した際に業務が止まってしまうリスクがあります。また、経理担当者がいるにもかかわらず、経営者が毎回確認しなければ処理が進まないというケースもあります。

解決した事例

ある企業では、請求書の保管場所、経費精算ルール、会計処理方法が担当者ごとに異なっていました。そのため、担当者が休暇を取得すると、他の社員では対応できない状態になっていました。

経理代行の導入に合わせて、資料の保存ルールを統一し、経費精算フローや月次業務スケジュールを整備しました。また、会計処理のルールを文書化し、誰でも確認できる状態にしました。

その結果、担当者不在時でも業務を継続できるようになり、経営者や管理職の確認負担も大幅に減少しました。

合わせて読みたい:経理のブラックボックス化による不正を防ぐ5選

月次決算を早期化した事例

経営者にとって、会社の数字をタイムリーに把握することは重要です。しかし、資料回収や会計入力が遅れると、試算表の完成が翌月後半になることもあります。

これでは利益状況や資金繰りを把握するタイミングが遅れ、経営判断にも影響します。

解決した事例

ある企業では、領収書や請求書を月末にまとめて処理していたため、試算表が完成するのは毎月20日頃でした。売上や利益の状況を確認できる頃には次の月の営業活動が進んでおり、数字を経営に活かしにくい状況でした。そこで経理代行の導入とあわせて、クラウド会計の活用、銀行口座の自動連携、請求書回収ルールの見直しを実施しました。

その結果、会計入力のタイミングが早まり、試算表を翌月10日前後に確認できるようになりました。経営会議でも最新の数字を基に議論できるようになり、経営管理の精度向上につながりました。

合わせて読みたい:銀行データ自動連携で月次が早くなる理由

経理コストを見直した事例

経理代行は、人手不足対策だけでなく、経理コストの見直しを目的として導入されることもあります。

経理担当者を採用する場合、人件費だけでなく採用コストや教育コストも発生します。また、退職した場合には再度採用活動を行う必要があります。一方で、業務量に応じて経理代行を活用することで、必要な業務だけを外部へ委託できる場合があります。

解決した事例

従業員10名程度の企業では、経理担当者の採用を検討していました。しかし実際に業務内容を整理すると、会計入力、請求書発行、支払管理などの定型業務が大半を占めていました。そこで、これらの業務を経理代行へ委託し、社内では請求内容や支払内容の承認のみを行う体制へ変更しました。

その結果、新たな人材を採用することなく経理業務を安定的に運営できるようになり、採用コストや教育コストの削減にもつながりました。

合わせて読みたい:記帳代行・経理代行・採用のコスト差を解説

成功している企業に共通すること

経理代行の成功事例を見ると、共通点があります。それは、単純に作業を外部へ委託しただけではないということです。成果が出ている企業は、経理代行の導入をきっかけに業務フローを見直し、クラウド会計の活用や業務ルールの標準化を進めています。

経理代行は単なる人手不足対策ではなく、経理体制そのものを改善する手段として活用することで、より大きな効果を得ることができます。


合わせて読みたい:クラウド会計の導入費用と運用コストの実態

まとめ

経理代行の導入理由は企業によって異なります。

しかし、経理担当者の退職対応、人手不足の解消、属人化の改善、月次決算の早期化、コスト見直しといった課題は多くの企業に共通しています。重要なのは、自社の課題に近い事例を参考にしながら、単なる作業代行ではなく、経理体制全体の改善につなげることです。

まるまる経理では、経理業務の代行だけでなく、クラウド会計の活用や業務フローの整理を通じて、継続的に運用できる経理体制づくりをサポートしています。

合わせて読みたい:経理代行のメリットとは?導入企業が実感した5つの効果

「現在の経理業務を見直したい」「経理担当者の採用と外注のどちらがよいか相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。

経理代行サブスクサービス「まるまる経理」の詳細はこちら