経理代行は、「経理業務を外部へ任せるサービス」というイメージを持たれがちですが、実際には経理体制そのものを改善する目的で導入されるケースが多くあります。
例えば、経理担当者の退職への対応、人手不足の解消、属人化の改善、月次決算の早期化など、企業が抱える課題はさまざまです。
また、導入効果が出ている企業の多くは、単に業務を委託するだけではなく、業務フローの整理やクラウド会計の活用もあわせて進めています。
この記事では、中小企業でよくある課題ごとに、経理代行を導入してどのように改善したのかを具体的な事例を交えながら紹介します。
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事例① 経理担当者の退職をきっかけに導入したケース
経理代行の導入理由として多いのが、経理担当者の退職です。
特に中小企業では、一人の担当者が請求書管理や会計入力、支払業務、売掛金管理まで幅広く担当していることも珍しくありません。
そのため、担当者が退職すると、経理業務そのものが止まってしまうリスクがあります。
Before
ある企業では、10年以上勤務していた経理担当者の退職が決まりました。
請求書の受領から会計ソフトへの入力、売掛金管理、支払データの作成まで、一人で担当していたため、後任が決まるまで業務を継続できるか不安を抱えていました。
導入した内容
経理代行を活用し、
- 請求書管理
- 会計ソフトへの仕訳入力
- 売掛金管理
- 支払データの作成
を外部へ委託しました。
また、担当者しか分からなかった業務手順を整理し、業務フローを文書化しました。
After
担当者の退職後も経理業務を止めることなく継続できただけでなく、業務内容が見える化されたことで属人化の解消にもつながりました。
「人が辞めても経理が回る体制」を整えられたことが、この企業にとって最も大きな成果となりました。
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事例② 人手不足を補うために導入したケース
中小企業では、総務担当者や営業事務担当者が経理を兼任しているケースも少なくありません。
日々の業務に加え、月末・月初は請求書発行や経費精算、会計入力などが集中するため、残業が増えたり、本来の業務へ十分な時間を確保できなくなったりすることがあります。
Before
従業員20名ほどの企業では、総務担当者が経理業務も担当していました。
毎月100件を超える請求書処理や経費精算に追われ、月末月初は残業が常態化していました。
総務業務にも影響が出始め、「人を採用すべきか」という検討も行っていました。
導入した内容
経理代行へ、
- 請求書発行
- 売掛金管理
- 経費精算チェック
- 会計ソフトへの入力
を依頼し、社内では承認業務を中心に行う体制へ変更しました。
After
経理処理の遅延が解消され、総務担当者は本来担当すべき業務へ集中できるようになりました。
新たな人材を採用しなくても、限られた人員で安定したバックオフィス体制を維持できるようになった事例です。
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事例③ 属人化を解消したケース
経理業務は、同じ担当者が長年担当することで属人化しやすい業務です。
担当者しか処理方法を知らない状態では、休暇や退職のたびに業務が滞るリスクがあります。
Before
ある企業では、
- 請求書の保管方法
- 経費精算のルール
- 会計処理の方法
が担当者ごとに異なっていました。
そのため、担当者が休むと他の社員では対応できず、経営者が確認しなければ業務が進まない状態になっていました。
導入した内容
経理代行の導入とあわせて、
- 証憑の保管ルールを統一
- 経費精算フローを整理
- 月次業務のスケジュールを標準化
- 会計処理ルールを文書化
しました。
After
担当者が不在でも業務を継続できるようになり、経営者や管理職の確認負担も軽減されました。
経理担当者個人へ依存する体制から、会社全体で経理業務を管理できる体制へ改善された事例です。
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事例④ 月次決算を早期化できたケース
経営者にとって、会社の数字を早く把握できることは重要です。
しかし、領収書や請求書の回収が遅れたり、会計入力が月末に集中したりすると、試算表の完成が翌月後半になることも珍しくありません。
その結果、売上や利益の状況を把握する頃には次の月の営業活動が始まっており、数字を経営判断へ十分に活かせないケースがあります。
Before
ある企業では、領収書や請求書を月末にまとめて提出する運用になっていました。
会計入力も月末から始まるため、試算表が完成するのは毎月20日前後となり、経営会議では常に古い数字をもとに判断していました。
導入した内容
経理代行の導入とあわせて、
- クラウド会計の活用
- 銀行口座との自動連携
- 請求書提出ルールの見直し
- 日々の会計入力体制の構築
を進めました。
After
会計入力が日常業務として進められるようになり、試算表を翌月10日前後に確認できる体制へ改善しました。
最新の数字をもとに経営判断ができるようになり、資金繰りや利益管理もしやすくなった事例です。
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事例⑤ 経理コストを見直せたケース
経理代行は、人手不足への対応だけでなく、経理体制全体のコストを見直す目的で導入されることもあります。
経理担当者を採用する場合は、給与だけでなく、採用活動や教育、引き継ぎなどにも時間と費用がかかります。
一方で、必要な業務だけを経理代行へ依頼することで、業務量に応じた体制を構築できるケースがあります。
Before
従業員10名ほどの企業では、経理担当者の採用を検討していました。
しかし業務を整理すると、大半は会計入力や請求書発行、支払管理などの定型業務であり、専任担当者を配置するほどの業務量ではありませんでした。
導入した内容
会計入力や請求書発行、支払データの作成などを経理代行へ依頼し、社内では請求内容や支払内容の確認・承認を行う体制へ変更しました。
After
新たな人材を採用することなく、安定した経理体制を構築できました。
また、採用活動や教育にかかる負担も抑えられ、限られた人員を本来の業務へ配置できるようになりました。
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成功している企業に共通する3つのポイント
ここまで紹介した事例には、いくつかの共通点があります。
1. 作業を任せるだけで終わらせていない
成果が出ている企業は、単純に経理業務を外部へ委託しただけではありません。
「どの業務を社内で行い、どの業務を外部へ任せるか」を整理し、役割分担を明確にしています。
2. 業務フローを見直している
経理代行の導入にあわせて、
- 資料提出のタイミング
- 承認フロー
- 証憑の管理方法
などを見直すことで、経理業務全体の効率化につなげています。
3. 将来を見据えた経理体制を整えている
人手不足への対応だけを目的にするのではなく、
- 属人化しない体制
- 継続して運用できる仕組み
- クラウド会計を活用した運用
まで見据えて取り組んでいる企業ほど、高い導入効果を実感しています。
まとめ
経理代行は、「経理業務を外部へ任せるサービス」というだけではありません。
今回紹介したように、
- 経理担当者の退職への対応
- 人手不足の解消
- 属人化の改善
- 月次決算の早期化
- 経理体制のコスト最適化
など、企業が抱えるさまざまな課題の解決につながっています。
一方で、成功している企業に共通しているのは、単に業務を委託するだけではなく、業務フローや運用ルールまで見直していることです。
自社と似た課題を抱える事例を参考にしながら、どのような経理体制を目指すべきかを考えることで、より高い導入効果が期待できるでしょう。
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