はじめに
「月次決算をもっと早く終わらせたい」「毎月の銀行明細の処理に時間がかかっている」と感じている経営者や経理担当者は多いのではないでしょうか。
月次決算が遅れる原因はさまざまですが、その中でも時間を取られやすいのが、銀行取引の確認や仕訳、入金消込などの作業です。
銀行口座へログインして明細を取得し、会計ソフトへ入力し、売掛金と照合するといった作業は毎月発生します。取引件数が増えるほど確認作業も増え、経理担当者の負担は大きくなります。
こうした定型業務を効率化できる方法の一つが銀行データ自動連携です。
銀行データを会計ソフトへ自動で取り込み、日々の処理を効率化することで、月次決算の早期化につながります。
この記事では、銀行データ自動連携の仕組みと、月次決算が早くなる理由、導入するメリットについて分かりやすく解説します。
銀行データ自動連携とは?
銀行データ自動連携とは、インターネットバンキングなどの取引データをクラウド会計へ自動で取り込み、経理業務を効率化する仕組みです。
従来は、
- 銀行へログインする
- 明細をダウンロードする
- CSVデータを取り込む
- 会計ソフトへ入力する
という作業を毎月繰り返していました。
銀行データ自動連携を利用すると、こうした明細取得の手間を減らし、会計ソフト上で取引内容を確認しながら処理を進めやすくなります。
もちろん、最終的な確認や仕訳内容のチェックは必要ですが、「明細を集める」「転記する」といった作業を効率化できる点が大きな特徴です。
銀行データ自動連携は、クラウド会計を活用する際の代表的な機能の一つです。
クラウド会計全体のメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
合わせて読みたい:クラウド会計を導入すると経理はどう変わる?導入メリットを解説
月次決算が遅くなる原因とは?
月次決算が遅れる原因は、「会計ソフトへの入力作業」だけではありません。
実際には、その前段階である銀行取引の確認や照合作業に多くの時間を費やしている企業も少なくありません。
例えば、次のような業務です。
- 銀行明細を取得する
- 入出金内容を確認する
- 売掛金や買掛金と照合する
- 振込手数料や差額を確認する
- 複数口座の残高を確認する
これらの作業は毎月必ず発生します。
しかも、取引件数が増えるほど確認作業も増え、担当者によって処理方法が異なると、さらに時間がかかる原因になります。
月次決算を早めるためには、入力作業だけでなく、銀行取引に関わる一連の業務を効率化することが重要です。
銀行データ自動連携で月次決算が早くなる5つの理由
銀行データ自動連携は、単に銀行明細を取り込むだけの機能ではありません。
毎月繰り返す定型業務を効率化することで、月次決算全体のスピード向上につながります。
ここでは、代表的な5つの理由をご紹介します。
理由① 銀行明細を自動で取得できる
銀行データ自動連携では、銀行口座の取引明細を自動で取得できます。
そのため、
- 毎回インターネットバンキングへログインする
- 明細をダウンロードする
- CSVファイルを保存する
といった作業を減らしやすくなります。
また、取得漏れやダウンロード忘れも防ぎやすくなるため、毎月の経理業務を安定して進められる点もメリットです。
理由② 手入力の負担を減らせる
取り込んだ銀行明細は、会計ソフト上で仕訳候補として利用できる場合があります。
そのため、経理担当者が一件ずつ入力する作業が減り、確認を中心とした業務へ移行しやすくなります。
もちろん、内容を確認して適切な仕訳になっているか判断する必要はありますが、ゼロから入力する場合と比べると、作業時間を短縮しやすくなります。
理由③ 入金消込を効率化しやすい
売掛金の入金確認は、取引件数が多い企業ほど時間がかかる業務の一つです。
銀行データ自動連携を活用すると、入金データをもとに消込作業を進めやすくなり、確認にかかる負担を軽減できます。
特に、
- 入金件数が多い
- 複数の取引先と継続的な取引がある
- 毎月の売掛金管理に時間がかかっている
という企業では、効率化の効果を実感しやすいでしょう。
理由④ 証憑との照合作業を効率化しやすい
銀行データ自動連携は、請求書や領収書などの証憑と銀行取引を照合する際にも役立ちます。
従来は、
- 紙の請求書を探す
- メールに添付されたPDFを確認する
- 銀行明細と照らし合わせる
といった作業が必要でした。
銀行データと会計ソフトを組み合わせて運用することで、必要な情報を確認しやすくなり、照合作業の効率化につながります。
ただし、証憑の管理方法が統一されていない場合は、銀行データを取り込んでも確認作業に時間がかかることがあります。
銀行データ自動連携の効果を高めるためには、証憑の管理方法もあわせて見直すことが大切です。
合わせて読みたい:経理DXはペーパーレス化から|紙を減らす進め方と実践例
理由⑤ 作業を標準化しやすくなる
銀行明細の取得や入力方法が担当者ごとに異なると、処理品質にばらつきが生まれやすくなります。
銀行データ自動連携を活用すると、毎月同じ流れでデータを取り込み、処理を進めやすくなるため、作業手順を標準化しやすくなります。
その結果、
- 作業品質を一定に保ちやすい
- 引き継ぎしやすくなる
- 担当者が変わっても運用を継続しやすい
といった効果も期待できます。
ただし、標準化を進めるためには、仕訳ルールや確認方法などの運用ルールもあわせて整備することが重要です。
経理DX全体の進め方について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
合わせて読みたい:経理DXは何から始める?中小企業の導入手順と成功事例
銀行データ自動連携が向いている会社
銀行データ自動連携は、すべての企業で必須というわけではありません。
一方で、次のような企業では導入効果を実感しやすいでしょう。
- 複数の銀行口座を利用している
- 入出金件数が多い
- 売掛金の入金消込に時間がかかっている
- 月次決算が翌月中旬以降になりやすい
- 経理担当者が少人数で業務を担当している
このような企業では、毎月繰り返す銀行関連業務を効率化することで、経理担当者の負担軽減や月次決算の早期化につながる可能性があります。
導入前に確認したいポイント
銀行データ自動連携は便利な機能ですが、導入するだけで効果が出るわけではありません。
事前に次のような点を確認しておきましょう。
- 利用している銀行が連携に対応しているか
- 会計ソフトとの連携方法を確認しているか
- 仕訳ルールを整理しているか
- 例外取引の確認方法を決めているか
- 担当者間で運用ルールを共有しているか
また、自動取得されたデータも、人による確認は必要です。
「どこまで自動化し、どこを確認するのか」を明確にしておくことで、導入後の運用も安定しやすくなります。
経理DXが思うように進まない企業では、システムではなく運用ルールに課題があるケースも少なくありません。
合わせて読みたい:経理DXが進まない会社の共通点とは?失敗原因と解決策
よくある質問
Q1. 銀行データ自動連携を導入すると、すべての仕訳が自動になりますか?
いいえ。
銀行データを自動で取り込めるようになりますが、仕訳内容の確認や例外的な取引への対応は必要です。
Q2. 小規模企業でも銀行データ自動連携を導入するメリットはありますか?
あります。
取引件数がそれほど多くなくても、毎月発生する定型業務を効率化できるため、少人数で経理を担当している企業ほど効果を感じやすいでしょう。
Q3. 銀行データ自動連携だけで月次決算は早くなりますか?
銀行データ自動連携は月次決算を早める有効な方法の一つですが、それだけで十分とは限りません。
資料回収や承認フロー、運用ルールなどもあわせて見直すことで、より大きな効果が期待できます。
まとめ
銀行データ自動連携は、銀行明細の取得や入力、入金消込など、毎月発生する定型業務を効率化できる仕組みです。
特に、
- 明細取得を自動化できる
- 手入力を減らせる
- 入金消込を効率化できる
- 証憑との照合作業を進めやすくなる
- 作業を標準化しやすくなる
といった点は、月次決算の早期化につながる大きなメリットです。
銀行データ自動連携を含めた経理DX全体の進め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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銀行データ自動連携の導入をご検討なら
「銀行データ自動連携を導入したいが、何から始めればよいか分からない」「導入したものの、期待した効果を実感できていない」とお悩みの企業も少なくありません。
まるまる経理では、クラウド会計の活用支援だけでなく、銀行データ連携を含めた経理業務全体の見直しや運用ルールの整備もサポートしています。
- 月次決算を早めたい
- 銀行取引の処理を効率化したい
- 経理担当者の負担を減らしたい
- 経理DXを進めたい
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
経理代行で依頼できる業務や、会社側に残る役割については、以下の記事で解説しています。
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経理代行の費用や料金相場について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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