はじめに
「経理DXに取り組みたいけれど、何から始めればよいのか分からない」
このような悩みを抱える中小企業の経営者や経理担当者は少なくありません。
近年はクラウド会計や経費精算システムなど、経理業務を効率化するサービスが増えています。しかし、最初から多くのシステムを導入しようとして、かえって現場が混乱してしまうケースもあります。
経理DXは、高機能なツールを導入することが目的ではありません。
まずは現在の業務を整理し、改善効果が大きいところから少しずつ進めることが成功への近道です。
この記事では、中小企業が経理DXを始める際に、最初の1〜2か月で取り組みたいことを中心に、無理なく進めるための導入手順と初期の改善事例を紹介します。
経理DXは「ツール選び」から始めない
「経理DX」と聞くと、
- クラウド会計を導入する
- AIを活用する
- 経費精算システムを導入する
といったシステム選びを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、経理DXをスムーズに進めている企業は、最初からツール選びをしているわけではありません。
まず取り組んでいるのは、
- 現在どのような経理業務があるのか
- 誰が担当しているのか
- 手作業が多い業務は何か
- 紙で管理している業務はどれか
といった現状把握です。
例えば、
- 請求書の回収に時間がかかっている
- 領収書の提出方法がバラバラ
- 会計入力を何度も行っている
- 特定の担当者しか業務を把握していない
といった課題を整理するだけでも、最初に改善すべきポイントが見えてきます。
経理DXとは、「システムを導入すること」ではなく、「業務を改善すること」です。
だからこそ、まずは現在の業務を整理することから始めましょう。
導入手順① 最初に棚卸ししたい経理業務
経理DXを始める際は、最初に現在の経理業務を書き出すことをおすすめします。
例えば、
- 請求書の受領
- 請求書の発行
- 経費精算
- 支払業務
- 入金確認
- 会計ソフトへの入力
など、日常的に行っている業務を整理します。
そのうえで、
- 誰が担当しているか
- 紙・Excel・クラウドのどれで管理しているか
- 手入力が発生しているか
まで確認すると、改善の優先順位を決めやすくなります。
この段階では、すぐにシステムを導入する必要はありません。
まずは「どこに時間がかかっているのか」を把握することが、経理DXを成功させる第一歩です。
経理DX全体の流れについて知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
合わせて読みたい:中小企業の経理DX|導入のための実践7ステップ
導入手順② 最初に減らしたい紙の業務
業務を整理したら、次に見直したいのが紙で行っている業務です。
中小企業では、
- 紙の請求書
- 紙の領収書
- 紙の申請書
などが残っているケースも少なくありません。
紙中心の運用では、
- 回収に時間がかかる
- 保管場所が必要になる
- 必要な書類を探しにくい
- 情報共有がしにくい
といった課題が発生します。
すべてを一度に電子化する必要はありません。
まずは毎月発生する請求書や領収書など、改善効果が大きい業務から取り組むことで、無理なくペーパーレス化を進められます。
紙業務を減らす具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい:経理DXはペーパーレス化から|紙を減らす進め方と実践例
導入手順③ 最初に連携したいデータ
紙の整理と並行して進めたいのが、データ連携です。
最初からすべての業務を自動化する必要はありませんが、毎月繰り返し発生するデータを連携するだけでも、経理担当者の負担を減らしやすくなります。
例えば、
- 銀行口座
- クレジットカード
- 会計ソフト
などは、早い段階で連携を検討したいデータです。
毎月手入力している作業を減らすことで、入力ミスの防止や処理時間の短縮につながります。
合わせて読みたい:銀行データ自動連携とは?月次決算が早くなる仕組みを解説
成功事例|資料回収ルールを見直した会社
ある中小企業では、請求書や領収書の提出方法が部署ごとに異なっていました。
紙で提出する人もいれば、メールやチャットで送る人もいたため、経理担当者は資料を集めるだけで多くの時間を費やしていました。
そこで最初に行ったのは、新しいシステムの導入ではなく、
- 提出方法を統一する
- 提出期限を決める
- 保存場所を統一する
というルールづくりでした。
その結果、資料回収にかかる手間が減り、経理担当者は入力や確認作業をスムーズに進められるようになりました。
このように、経理DXは最初から大きく変える必要はありません。
まずは身近な業務改善から始めることで、その後のデジタル化も進めやすくなります。
最初の1〜2か月の進め方
経理DXは、一度にすべての業務を変えようとすると、現場の負担が大きくなり、定着しにくくなります。
最初の1〜2か月は、小さな改善を積み重ねることを意識しましょう。
例えば、次のような流れで進める企業が多く見られます。
1〜2週目:現在の業務を整理する
まずは、経理業務の棚卸しを行い、
- 手作業が多い業務
- 紙で管理している業務
- 時間がかかっている業務
を整理します。
3〜4週目:資料回収のルールを整える
次に、
- 提出方法を統一する
- 提出期限を決める
- 保存場所を統一する
といったルールを整えます。
資料回収の流れが整うだけでも、経理担当者の負担は大きく軽減されます。
2か月目:データ連携を始める
業務の流れが整ってきたら、銀行口座やクレジットカードなど、毎月利用するデータの連携を検討します。
最初からすべてを自動化するのではなく、効果が出やすい部分から取り組むことで、無理なく経理DXを進められます。
小さく始めるためのポイント
経理DXを成功させている企業には、共通する考え方があります。
それは、「最初から完璧を目指さない」ということです。
例えば、
- まずは請求書の提出方法だけを統一する
- 領収書だけ電子化する
- 銀行データだけ連携する
といったように、一つずつ改善を進めています。
一つ改善できたら次へ進むくらいのペースが、中小企業では定着しやすい傾向があります。
一方で、最初から多くの業務を一度に変えようとすると、現場への負担が大きくなり、思うように定着しないこともあります。
経理DXが思うように進まない会社に見られる共通点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい:経理DXが進まない会社の共通点とは?失敗原因と解決策
よくある質問
Q1. 経理DXはシステムを導入することから始めるべきですか?
おすすめしません。
まずは現在の経理業務を整理し、改善したい業務を明確にすることが重要です。課題を把握してから取り組むことで、自社に合った進め方を選びやすくなります。
Q2. 最初に取り組むなら何から始めると効果的ですか?
まずは紙で行っている業務や、毎月繰り返し発生する業務から見直すことをおすすめします。
請求書や領収書の管理方法、資料回収のルールを整えるだけでも、経理担当者の負担軽減につながります。
Q3. 最初からすべての業務をデジタル化する必要はありますか?
必要ありません。
一度にすべてを変えようとすると、現場の負担が大きくなります。
まずは改善効果が高い業務から取り組み、定着したら次の改善へ進めることで、無理なく経理DXを進められます。
まとめ
経理DXを始める際は、最初から大きなシステムを導入する必要はありません。
まずは、
- 現在の業務を整理する
- 紙で行っている業務を見直す
- 毎月利用するデータを連携する
といった取り組みから始めることで、無理なく改善を進められます。
また、一つずつ改善を積み重ねることで、現場にも定着しやすくなります。
経理DXの進め方でお悩みなら
「経理DXを進めたいけれど、自社では何から始めればよいか分からない」「まずどの業務から改善すべきか迷っている」という企業も多いのではないでしょうか。
まるまる経理では、現在の経理業務をヒアリングしたうえで、無理なく始められる経理DXの進め方をご提案しています。
- 経理担当者の負担を減らしたい
- 紙の業務を減らしたい
- 業務を標準化したい
- 小さく経理DXを始めたい
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
経理代行の費用や料金相場について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
合わせて読みたい:経理代行の費用はいくら?料金相場と内訳を解説
