鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理代行を導入するタイミングとは?中小企業が外注を検討したい7つのサイン

中小企業が経理代行を導入すべきタイミングと、検討ポイント7つを記載した記事の画像

「まだ経理業務は回っているから、外注を検討する必要はない」と考える会社は少なくありません。

しかし、経理担当者の退職が決まった後や、月次処理が大幅に遅れた後では、引き継ぎや業務整理を短期間で進めなければならなくなります。

経理代行を検討し始めるタイミングは、会社の規模や「一人経理かどうか」といった特徴だけでは決まりません。

担当者の退職・休職、採用活動の長期化、取引件数の急増、月次処理の遅延など、経理体制に具体的な変化が起きたときが検討開始の目安です。

この記事では、中小企業が経理代行の検討を始めたい7つのタイミングと、動き始める際に整理しておきたいことを解説します。

合わせて読みたい:経理代行とは?業務内容・導入の流れを解説


目次

経理代行は問題が起きる前に検討を始める

経理代行は、経理業務が完全に止まってから探し始めるよりも、引き継ぎや準備の時間が残っている段階で検討した方がスムーズです。

例えば、経理担当者の退職が決まった場合、最終出勤日までに業務内容や処理手順、使用しているシステムなどを確認する必要があります。

外部へ依頼する業務を決めるほか、資料の共有方法や社内の承認者も整理しなければなりません。

担当者がすでに不在になってからでは、業務内容を把握するだけでも時間がかかります。

すぐに契約するかどうかは別として、具体的な変化が起きた段階で情報収集や相談を始めておくことが大切です。

経理代行の利用を決めた後に必要となる引き継ぎや準備については、以下の記事で詳しく解説しています。

合わせて読みたい:経理代行を導入する最初の1カ月でやること|引継ぎ・準備の流れを解説


経理代行の検討を始めたい7つのタイミング

ここでは、経理体制を見直し、外注の情報収集や相談を始めたい具体的なタイミングを紹介します。

1.経理担当者の退職が決まったとき

経理担当者の退職が決まったら、後任者が決まるのを待たずに経理体制の見直しを始める必要があります。

退職日までに確認したいのは、日常業務だけではありません。

  • 支払日と振込手順
  • 請求書の発行・管理方法
  • 売掛金や買掛金の確認方法
  • 会計ソフトの設定
  • 月次・年次業務のスケジュール
  • 税理士や社労士との連絡方法

こうした情報を整理しながら、後任採用で対応するのか、一部または全部を経理代行へ任せるのかを検討します。

引き継ぎ期間が残っているうちに相談を始めることで、現担当者から外部担当者へ直接確認できる可能性も高まります。

合わせて読みたい:経理担当者が退職・休職したとき、経理代行は使える?対応範囲を解説

2.休職や長期不在が決まったとき

病気、育児、介護などにより、経理担当者の長期不在が決まった場合も、早めに対応を考える必要があります。

復職予定がある場合でも、不在期間中の支払い、請求、給与、月次処理は継続しなければなりません。

まずは、不在になる期間と、その間に発生する業務を確認します。

社内の他の社員が兼務するのか、一部業務を外部へ任せるのかを、休職に入る前に決めておくと混乱を抑えやすくなります。

3.経理担当者の採用が長期化しているとき

経理経験者の採用活動を続けているものの、応募が集まらない、内定に至らない状態が続くことがあります。

採用が決まるまで現状の担当者や社長が業務を抱え続けると、処理の遅れや確認不足につながる可能性があります。

求人を出してすぐに応募がないからといって、直ちに外注する必要はありません。

ただし、採用の見通しが立たず、既存の体制では負担が続くと判断した段階で、経理代行の情報収集を始めるとよいでしょう。

採用活動と外部委託の検討を並行して進める方法もあります。

合わせて読みたい:中小企業の経理体制の作り方|採用・外注・経理代行の選び方

4.取引件数や請求・支払件数が急増したとき

新規顧客の獲得、新店舗の開設、新規事業の開始などにより、取引件数が短期間で増えることがあります。

売上が増えていても、請求書発行、入金確認、支払処理、会計入力などが追いつかなければ、経理業務は不安定になります。

確認したいのは、単に売上が増えたかではなく、次のような処理件数が増えているかです。

  • 発行する請求書の件数
  • 受領する請求書の件数
  • 銀行振込や入出金の件数
  • 経費精算の申請件数
  • 従業員や拠点の数

件数が急増し、従来の担当者や処理方法では締め日に間に合わなくなり始めたら、外部への分担を検討するタイミングです。

5.月次処理の遅延が続くようになったとき

一度だけ月次処理が遅れたからといって、すぐに経理代行が必要になるわけではありません。

しかし、会計入力や残高確認が毎月後ろ倒しになり、試算表の完成が繰り返し遅れるようになった場合は、日常業務の処理体制を確認する必要があります。

  • 資料が期限までに集まらない
  • 未入力の取引が毎月残る
  • 入出金の確認に時間がかかる
  • 月次の締め日が決まっていない
  • 担当者の業務量が増えている

同じ原因で遅延が繰り返されている場合は、一時的な忙しさではなく、現在の経理体制が業務量に合わなくなっている可能性があります。

次の月次締めを迎える前に、社内で改善するか、一部業務を外部へ任せるかを検討しましょう。

6.クラウド会計や経理システムの変更を予定しているとき

クラウド会計の導入や経費精算システムの変更は、経理体制を見直すタイミングの一つです。

システムを変更すると、資料の提出方法、入力手順、承認フローなども変わります。

運用を始めた後に外注を検討すると、すでに決めた方法を再度変更しなければならない場合があります。

導入するシステムや運用方法を検討している段階で、将来的に経理代行を利用する可能性も含めて設計しておくと、二重の手間を減らしやすくなります。

合わせて読みたい:中小企業の経理DX|導入のための実践7ステップ

7.決算期や繁忙期を迎える前

決算期、年末調整、事業の繁忙期など、経理業務が増える時期が分かっている場合は、その前に体制を確認しておく必要があります。

繁忙期に入ってから経理代行を探しても、契約内容の確認や引き継ぎに時間がかかり、必要な時期に間に合わないことがあります。

過去の繁忙期に残業や処理遅延が発生している場合は、次の繁忙期が始まる前に、どの業務を外部へ分担するか検討しましょう。

一時的な繁忙対応が可能か、継続契約が必要かは、経理代行会社によって異なります。


検討を始めたら最初に整理したいこと

具体的な変化が起きて経理代行を検討し始めたら、まず次の3点を整理します。

引き継ぎや対応開始までの期限

退職日、休職開始日、次回の支払日、月次締め日など、いつまでに新しい体制が必要なのかを確認します。

期限が明確になると、優先して引き継ぐ業務や準備の順番を決めやすくなります。

止められない業務

すべてを一度に整理できない場合は、給与、支払い、請求書発行など、止められない業務から優先します。

現在の担当者が行っている業務を一覧にし、処理日と必要な資料を確認しておきましょう。

最初に外部へ任せたい範囲

記帳、支払データ作成、請求書発行など、最初に外部へ任せたい業務を絞ります。

導入時からすべての業務を委託する必要はありません。緊急性の高い業務から始め、運用後に範囲を広げる方法もあります。

合わせて読みたい:経理代行で依頼できる業務一覧|どこまで任せられる?

よくある質問

Q1.経理担当者の退職が決まってからでも間に合いますか?

退職日までに期間がある場合は、できるだけ早く相談を始めることが大切です。

現担当者が在籍している間であれば、処理手順や過去の判断について直接確認できます。

退職日が迫っている場合は、すべてを一度に引き継ぐのではなく、支払いや請求など優先度の高い業務から対応する方法もあります。

Q2.採用活動中でも経理代行を検討できますか?

採用活動と経理代行の検討は並行して進められます。

後任者が決まるまでの一時的な利用や、採用後も定型業務だけを継続して外部へ任せる方法があります。

採用後にどの業務を社内へ戻すかも含めて、契約前に確認しておくとよいでしょう。

Q3.繁忙期だけ経理代行を利用できますか?

繁忙期だけの一時的な依頼に対応しているかは、経理代行会社によって異なります。

短期間の依頼であっても、業務内容の確認や資料共有の準備は必要です。

繁忙期に入ってからではなく、業務量が増える時期が分かった段階で相談しましょう。

Q4.経理代行は相談後すぐに運用を開始できますか?

相談後すぐにすべての業務を移行できるとは限りません。

依頼範囲の確認、契約、業務の引き継ぎ、資料共有方法の設定などが必要です。

導入までの準備期間は、業務量や現在の整理状況によって異なるため、対応が必要になる時期から逆算して相談を始めることが重要です。

経理代行を検討するタイミングに該当していても、実際に外部委託と連携しやすいかどうかは、会社の情報共有方法や承認体制によって異なります。

自社と経理代行の相性を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。

合わせて読みたい:経理代行が向いている会社・向いていない会社とは?導入判断のポイントを解説

まとめ

経理代行を検討し始めるタイミングは、会社の規模だけでは決まりません。

経理担当者の退職や採用活動の長期化、取引件数の増加など、経理体制に具体的な変化や支障が生じたときが、検討を始める目安になります。

クラウド会計の導入や繁忙期など、今後の変化があらかじめ分かっている場合は、実際に業務が滞る前から準備を始めることが大切です。

検討を始めたら、必要な体制を整える期限、止められない業務、最初に外部へ任せたい範囲を整理しましょう。

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「担当者の退職日が迫っている」「採用が決まらず、現在の体制を続けることが難しい」「取引が増えて月次処理が遅れ始めた」といった場合は、早めに今後の体制を整理する必要があります。

まるまる経理では、現在の業務内容や対応期限を確認し、優先して引き継ぐ業務と社内に残す業務を整理したうえで、導入方法をご提案しています。

担当者が在籍している段階や、外注するか決まっていない段階でもご相談いただけます。

経理代行を検討する際に気になる料金相場や、依頼する業務範囲によって費用が変わる仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。

合わせて読みたい:経理代行の費用はいくら?料金相場と内訳を解説

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