「経理代行はできるだけ安く利用したい。」
経理代行を検討する企業の多くが、このように考えます。
実際、月額数万円から利用できる格安の経理代行サービスも増えており、中小企業にとって導入しやすい選択肢となっています。
しかし、料金の安さだけで契約すると、
- 必要な業務が含まれていなかった
- 想定外の追加料金が発生した
- サービス内容が自社に合わなかった
など、「思っていたサービスと違った」と後悔するケースも少なくありません。
もちろん、格安の経理代行がすべて悪いわけではありません。
重要なのは、「なぜその価格なのか」を理解し、自社に必要なサービスが含まれているかを確認することです。
この記事では、公認会計士の視点から、格安の経理代行を選ぶ際に起こりやすい失敗と、その見極め方について解説します。
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格安だから危険なのではなく、「安い理由」を確認することが重要
「安い経理代行は危険ですか?」
というご質問をいただくことがあります。
結論から言えば、価格だけで良し悪しを判断することはできません。
例えば、
- 業務範囲を限定している
- クラウド会計を活用して効率化している
- サービス内容をシンプルにしている
ことで、低価格を実現している会社もあります。
一方で、
- 対応範囲が限定されている
- 品質管理体制が十分でない
- オプション料金が前提になっている
ことで価格を抑えているケースもあります。
つまり確認すべきなのは、
「なぜその価格なのか」
という点です。
価格だけを見るのではなく、サービス内容全体を比較することが、失敗を防ぐ第一歩になります。
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デメリット① 必要な業務が含まれていないことがある
格安プランで最も多い失敗が、「依頼したい業務が契約内容に含まれていなかった」というケースです。
例えば、
- 記帳のみ対応
- 請求書発行は対象外
- 支払業務はオプション
- 月次資料の作成は別料金
など、対応範囲は会社によって大きく異なります。
契約後になって、
「その業務は対応していません」
と言われると、結局社内で対応することになり、期待していたほど業務負担が減らないこともあります。
契約前には、「何を任せられるか」を具体的に確認することが重要です。
合わせて読みたい:経理代行の契約で注意したい7つのポイント|契約書で確認すべき事項を解説
デメリット② 想定外の追加費用が発生することがある
格安プランでは、基本料金を低く設定し、必要な業務をオプションとして追加する料金体系も少なくありません。
そのため、
- 支払件数が増えた
- 給与計算を依頼した
- 年末調整を依頼した
などのタイミングで、当初想定していなかった費用が発生することがあります。
もちろん、オプション料金があること自体は問題ではありません。
重要なのは、
- どこまでが基本料金なのか
- どのような場合に追加料金が発生するのか
を契約前に理解しておくことです。
料金だけを比較すると、「安いと思って契約したが、最終的には想定より高くなった」というケースもあります。
デメリット③ 品質や担当体制に差が出ることがある
価格を抑えるために、少人数で多くの企業を担当している経理代行会社もあります。
その結果、
- 担当者が頻繁に変わる
- 引き継ぎが十分に行われない
- 問い合わせへの対応が遅くなる
といったケースも見られます。
また、入力担当者と確認担当者を分けていない場合は、ミスが発見されにくくなる可能性もあります。
もちろん、低価格だから品質が低いというわけではありません。
しかし、安心して長く任せるためには、
- ダブルチェック体制
- 担当者の変更頻度
- 管理者によるレビュー体制
なども確認しておくことが大切です。
合わせて読みたい:経理代行を乗り換える前に確認したい7つのポイント
デメリット④ 業務改善までサポートしてもらえないことがある
格安の経理代行では、依頼された作業を正確に処理することを重視している会社も多くあります。
そのため、
- クラウド会計の導入支援
- 業務フローの見直し
- 月次決算の早期化
- 属人化の解消
- 経理DXの提案
といった、経理体制そのものを改善するサポートは対象外となる場合があります。
もちろん、記帳だけを依頼したい企業であれば十分なケースもあります。
一方で、
- 経営者が経理を兼務している
- 月次決算をもっと早くしたい
- 将来的に経理業務を効率化したい
と考えている場合は、価格だけでなく、改善提案まで対応できるかも確認しておくことが大切です。
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デメリット⑤ 長期的には費用対効果が低くなることもある
格安プランは初期費用を抑えられる反面、自社に必要なサービスが不足していると、結果的に費用対効果が低くなることがあります。
例えば、
- 社内で対応する業務が多く残る
- 月次資料の完成が遅れる
- 担当者との確認作業に時間がかかる
- 改善提案がなく、業務効率が変わらない
といった状況では、月額料金が安くても経営者や社員の負担は減りません。
経理代行を導入する目的は、単に費用を抑えることではなく、経理業務を効率化し、本来の業務へ集中できる環境をつくることです。
そのため、契約前には「月額料金」だけではなく、「その料金でどのような効果が期待できるか」という視点で比較することが重要です。
合わせて読みたい:経理代行の費用はいくら?料金相場と内訳を解説
公認会計士の視点|「安いかどうか」ではなく「自社に合っているか」で判断する
「できるだけ費用を抑えたい」というお気持ちは、多くの経営者に共通しています。
実際にご相談を受ける中でも、「一番安い会社を探しています」という声をいただくことがあります。
しかし、お話を伺うと、
- 本当は支払業務まで任せたい
- 月次決算を早くしたい
- 経理担当者の負担を減らしたい
といったご要望があり、格安プランでは十分に対応できないケースも少なくありません。
反対に、
- 記帳だけ依頼したい
- 社内に経理担当者がいる
- 業務量が少ない
という企業であれば、シンプルなサービスで十分な場合もあります。
重要なのは、「安い会社を選ぶこと」ではなく、「自社の課題を解決できるサービスを選ぶこと」です。
価格は判断材料の一つですが、それだけで契約を決めるのではなく、対応範囲や品質、サポート体制も含めて総合的に比較することをおすすめします。
合わせて読みたい:中小企業の経理体制の作り方|採用・外注・経理代行の選び方
よくある質問
Q. 格安の経理代行は避けた方がよいのでしょうか?
いいえ、必ずしもそうではありません。
業務範囲を限定したり、クラウド会計を活用したりすることで、低価格を実現している会社もあります。
重要なのは、価格ではなく、自社が必要とする業務に対応しているかを確認することです。
Q. 高い経理代行会社の方が安心ですか?
料金が高いからといって、自社に合っているとは限りません。
対応範囲や品質管理体制、サポート内容などを比較したうえで判断することが大切です。
合わせて読みたい:大手の経理代行は安心?契約前の注意点を解説
Q. 格安プランを比較するときは何を確認すればよいですか?
基本料金だけでなく、
- 対応範囲
- 追加料金の条件
- 品質管理体制
- 担当者体制
- サポート内容
などもあわせて確認しましょう。
まとめ
格安の経理代行は、費用を抑えられるという大きなメリットがあります。
一方で、価格だけで判断すると、
- 必要な業務が含まれていない
- 想定外の追加費用が発生する
- 品質や担当体制に不安がある
- 業務改善までサポートしてもらえない
- 長期的な費用対効果が低くなる
といった問題につながる可能性もあります。
大切なのは、「一番安い会社」を探すことではなく、「自社が必要としている業務を安心して任せられる会社」を選ぶことです。
料金だけでは判断できない部分も多いため、契約前にはサービス内容やサポート体制まで含めて比較・検討することをおすすめします。
経理代行選びでお悩みの方や、「価格だけで選んで失敗したくない」という方は、まるまる経理へお気軽にご相談ください。
現在の経理体制やご要望を丁寧にヒアリングしたうえで、貴社に合った経理体制づくりをご提案いたします。
