経理代行の見積もりは、単純に「会社規模が大きいほど高くなる」というものではありません。
実際には、仕訳件数、依頼する業務範囲、業種、利用しているツール環境、現在の経理体制など、複数の要素によって料金が決まります。
はじめに
経理代行サービスを検討する際、多くの企業が複数社を比較します。
しかし、経理代行は会社によってサービス内容や対応範囲が大きく異なるため、単純に料金だけで比較することはできません。
実際に、
- 月額料金が安かったので契約したが、記帳業務しか対応していなかった
- 月次資料の提出が遅く、経営判断に活用できなかった
- 契約後に追加料金が発生し、想定より費用が高くなった
- 担当者が頻繁に変わり、毎回説明が必要だった
といったケースは少なくありません。
経理代行は単なる事務作業の外注先ではなく、会社の数字を支える重要なパートナーです。
そのため、価格だけでなく、自社に合ったサービスかどうかを見極めることが重要です。
本記事では、経理代行サービスを比較する際に確認したいポイントと、比較時によくある失敗例について解説します。
経理代行サービスは会社によって大きく異なる
まず理解しておきたいのは、「経理代行」という言葉でもサービス内容は会社によって大きく異なるということです。
例えば、
- 記帳代行のみ対応する会社
- 請求書発行や支払業務まで対応する会社
- 月次決算資料の作成まで対応する会社
- クラウド会計導入や業務改善まで支援する会社
など、対応範囲はさまざまです。
そのため、
「A社は月額5万円」
「B社は月額10万円」
という比較だけでは意味がありません。
料金だけを見るのではなく、
「何をどこまで任せられるのか」
を比較することが重要です。
経理代行会社は大きく3つのタイプに分かれる
経理代行会社を比較する際は、まずどのタイプに該当するのかを確認しましょう。
| タイプ | 主な特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 記帳代行型 | 会計入力が中心 | とにかく記帳だけ依頼したい企業 |
| 総合経理代行型 | 請求書発行・支払管理・経費精算まで対応 | 経理業務全体を任せたい企業 |
| 経理DX支援型 | 業務改善やクラウド導入まで支援 | 属人化解消や経理体制構築を進めたい企業 |
同じ経理代行でも提供している価値は大きく異なります。
まずは、
- 人手不足を解消したいのか
- 経理業務を丸ごと任せたいのか
- 経理体制そのものを改善したいのか
を整理したうえで比較を進めましょう。
合わせて読みたい:経理代行の費用はいくら?料金相場と内訳を解説
経理代行サービスを比較するときの7つのポイント
① 対応範囲はどこまで含まれているか
最も重要な比較ポイントです。
経理業務には、
- 記帳業務
- 請求書発行
- 支払管理
- 経費精算
- 売掛金・買掛金管理
- 月次資料作成
- 資金繰り資料作成
などがあります。
しかし、すべての会社が対応しているわけではありません。
例えば「経理代行」と記載されていても、実際には記帳業務のみというケースもあります。
契約後に、
「その業務は対象外です」
と言われないよう、対応範囲は必ず確認しましょう。
② 月次決算はいつ完成するのか
経理代行を導入する目的の一つは、会社の数字を早く把握することです。
しかし、会社によって月次資料の提出スピードは大きく異なります。
例えば、
- 翌月10営業日以内
- 翌月20日前後
- 翌月末頃
など、かなり差があります。
月次資料の完成が遅れると、
- 利益状況の把握
- 資金繰り管理
- 経営判断
も遅れてしまいます。
比較する際は、
- 月次締めのタイミング
- 試算表の提出時期
- 資料回収のルール
を確認しておきましょう。
③ クラウド会計に対応しているか
現在の経理業務では、クラウド会計への対応も重要な比較ポイントです。
代表的なクラウド会計には、
- freee
- マネーフォワード クラウド
などがあります。
クラウド会計を活用すると、
- 銀行口座との自動連携
- クレジットカードとの自動連携
- リアルタイムでの情報共有
- 月次決算の早期化
が期待できます。
将来的な業務効率化を考える場合は、クラウド会計への対応状況も確認しておきましょう。
→ 関連記事:クラウド会計を導入すると経理はなぜ楽になるのか?
④ チェック体制は整っているか
経理業務では正確性が求められます。
そのため重要なのが品質管理体制です。
確認したいポイントは、
- ダブルチェックを行っているか
- 管理者レビューがあるか
- 公認会計士や税理士が品質管理に関与しているか
です。
料金が安くても、チェック体制が不十分であれば修正対応に時間がかかることがあります。
経理代行は価格だけでなく、品質も比較することが重要です。
⑤ コミュニケーション体制は十分か
経理代行は契約後も継続的なやり取りが発生します。
そのため、コミュニケーションのしやすさも重要です。
例えば、
- チャット対応の有無
- メールのみか
- 担当者は固定か
- 返信目安はどの程度か
- オンライン面談は可能か
などを確認しましょう。
特に経理業務では急ぎの確認事項が発生することもあるため、レスポンスの速さは重要な比較項目です。
⑥ 料金体系は明確か
経理代行では、見積金額だけを比較するのは危険です。
契約後に追加料金が発生するケースがあるためです。
例えば、
- 仕訳件数の増加
- 支払件数の増加
- 給与計算
- 年末調整
- 過年度修正
- 決算対応
などは別料金になることがあります。
比較する際は、
「どこから追加料金になるのか」
を必ず確認しましょう。
料金体系が明確な会社ほど、契約後のトラブルを防ぎやすくなります。
⑦ 業務改善まで支援してくれるか
経理代行会社によって最も差が出るのがこのポイントです。
単純な入力作業の代行だけであれば、多くの会社が対応できます。
しかし、本当に経理業務が楽になるのは、業務そのものが改善されたときです。
例えば、
- クラウド会計導入支援
- 証憑管理ルールの整備
- 承認フローの見直し
- 業務の標準化
- 属人化の解消
まで支援できる会社であれば、経理体制そのものを強化できます。
単なる外注先としてではなく、
「経理体制を改善できるパートナーか」
という視点で比較することが重要です。
→ 関連記事:経理の属人化を解消する方法5選
経理代行比較チェックリスト
経理代行会社を比較する際は、以下の項目を確認しておきましょう。
| 比較項目 | 確認ポイント | 理想的な状態 |
|---|---|---|
| 対応範囲 | どこまで依頼できるか | 記帳以外も対応 |
| 月次決算 | いつ完成するか | 翌月10営業日以内 |
| クラウド会計 | freee・MF対応 | 対応あり |
| 品質管理 | ダブルチェック体制 | あり |
| 担当者 | 固定担当か | 固定担当 |
| コミュニケーション | チャット対応・返信速度 | 当日〜翌営業日 |
| 料金体系 | 追加料金条件 | 明確に記載 |
| 業務改善支援 | DX支援や改善提案 | 対応あり |
よくある比較の失敗例
安さだけで選んでしまった
月額3万円だったため契約したものの、対応範囲は記帳業務のみでした。
その後、
- 支払管理
- 請求書発行
- 月次資料作成
を追加した結果、想定以上の費用が発生しました。
結果的には、最初から総合経理代行を選んだ方が安く済んだケースです。
月額料金だけを比較してしまった
A社:月額5万円
B社:月額8万円
一見するとA社の方が安く見えます。
しかし、
- A社は記帳のみ
- B社は請求書発行・支払管理・月次資料作成込み
だったため、実際にはB社の方が費用対効果が高いという結果になりました。
経理代行は、
「料金」ではなく「業務範囲」で比較することが重要です。
合わせて読みたい:経理代行サービス比較|失敗しない選び方と確認すべき7つのポイントを解説
こんな会社は経理代行の活用がおすすめ
次のような課題がある企業は、経理代行の導入による効果が期待できます。
- 経理担当者の退職が決まっている
- 経理人材の採用が難しい
- 月次決算が遅れている
- 経理業務が属人化している
- クラウド会計へ移行したい
- 経営者が経理業務を兼務している
こうした課題を抱えている場合は、採用だけでなく経理代行も有力な選択肢になります。
FAQ
Q. 経理代行は何社くらい比較すればよいですか?
一般的には2〜3社程度の比較がおすすめです。
比較する際は、料金だけでなく対応範囲や品質管理体制も確認しましょう。
Q. 相見積もりを取っても問題ありませんか?
問題ありません。
多くの企業が複数社を比較したうえで契約先を決定しています。
Q. 安い会社を選べば問題ないですか?
必ずしもそうではありません。
対応範囲が狭かったり、追加料金が発生したりする場合もあるため、総合的に比較することが重要です。
Q. 経理代行と経理担当者の採用はどちらがおすすめですか?
会社の規模や業務量によります。
ただし、採用難や退職リスクを考えると、まずは経理代行を活用して体制を整える企業も増えています。
まとめ
経理代行サービスを比較する際は、単純な料金比較だけで判断するべきではありません。
特に確認したいのは次の7つです。
- 対応範囲
- 月次決算のスピード
- クラウド会計対応
- チェック体制
- コミュニケーション体制
- 料金体系
- 業務改善支援の有無
経理代行は、会社の数字を支える重要なパートナーです。
だからこそ、
「安い会社」を選ぶのではなく、「自社の経理体制を改善できる会社」を選ぶことが重要です。
経理代行会社の比較でお悩みなら
- 経理担当者の採用が難しい
- 月次決算を早くしたい
- クラウド会計を活用したい
- 経理業務の属人化を解消したい
- 経理体制そのものを見直したい
このようなお悩みがある場合は、まるまる経理へお気軽にご相談ください。
現在の経理体制や課題をヒアリングしたうえで、必要な業務範囲や改善方法をご提案いたします。
また、経理代行が向いているのか、経理担当者を採用した方が良いのかも含めてご案内いたします。
