はじめに
「クラウド会計を導入したいけれど、実際にはどれくらい費用がかかるのだろう?」
近年、freeeやマネーフォワード クラウド、弥生などのクラウド会計ソフトを導入する中小企業が増えています。銀行口座やクレジットカードとの自動連携、AIによる仕訳補助など、経理業務を効率化できる機能が充実しており、経理DXの第一歩として注目されています。
一方で、
- 初期費用はどれくらいかかるのか
- 月額料金だけで利用できるのか
- 導入支援は必要なのか
- 結局、年間ではいくらかかるのか
といった費用面に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実際には、多くのクラウド会計ソフトは初期費用無料で利用を開始できます。
しかし、導入支援や運用サポートを依頼する場合は別途費用が発生することがあり、「ソフト代だけ」で判断すると想定より費用がかかるケースもあります。
この記事では、クラウド会計の料金相場や導入費用の内訳、導入前に確認しておきたいポイントについて分かりやすく解説します。
合わせて読みたい:経理代行の費用はいくら?料金相場と内訳を解説
クラウド会計の導入費用は「3つ」に分けて考える
クラウド会計の費用は、「ソフトの利用料金」だけではありません。
導入方法によっては、初期設定や運用サポートにも費用が発生します。
導入費用は、大きく次の3つに分けて考えると分かりやすいでしょう。
| 費用項目 | 料金相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 会計ソフト利用料 | 月額3,000〜8,000円程度 | クラウド会計ソフトの利用料金 |
| 導入支援費用 | 5万〜30万円程度 | 初期設定やデータ移行、各種設定の支援 |
| 運用サポート費用 | 月額1万〜5万円程度 | 導入後の運用改善やサポート |
「初期費用無料」という言葉だけを見ると費用がかからないように感じますが、実際には導入方法によって総額は大きく変わります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 会計ソフトの利用料金
freeeやマネーフォワード クラウド、弥生などのクラウド会計ソフトは、多くの場合初期費用無料で利用を始められます。
従来のようにサーバーを設置したり、高額なソフトウェアを購入したりする必要はなく、月額または年額で利用するサブスクリプション型が一般的です。
料金の目安は次のとおりです。
| 費用項目 | 料金相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 会計ソフト利用料 | 月額3,000~8,000円程度 | freee・マネーフォワード クラウド・弥生などの利用料金 |
| 導入支援費用 | 5万~30万円程度 | 初期設定・データ移行・各種設定など |
| 運用サポート費用 | 月額1万~5万円程度 | 導入後の設定変更や運用改善のサポート |
このように、「ソフト代」だけでなく導入や運用にかかる費用まで含めて考えることで、自社に必要な予算を把握しやすくなります。
また、プランによって利用できる機能は異なります。
例えば、
- 部門管理
- 承認ワークフロー
- 複数ユーザー利用
- 経費精算との連携
などは上位プランのみ対応している場合もあります。
そのため、月額料金だけではなく、「自社に必要な機能が含まれているか」という視点で選ぶことが重要です。
合わせて読みたい:AIで経理はどこまで効率化できる?
② 導入支援費用
クラウド会計ソフト自体は初期費用無料でも、導入支援を依頼する場合は別途費用が発生します。
導入支援では、例えば次のような作業をサポートしてもらえます。
- 会計データの移行
- 勘定科目の整理
- 銀行口座・クレジットカードの連携
- 自動仕訳ルールの設定
- 権限設定
- 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
導入支援費用の相場は、一般的に5万〜30万円程度です。
会社の規模や設定内容によって費用は変わりますが、自社だけで設定を進めることに不安がある場合は、専門家へ依頼することでスムーズに導入できるケースも少なくありません。
なお、導入支援費用は会社ごとに異なるため、見積もりを比較する際は「どこまで対応してもらえるのか」を確認することが大切です。
合わせて読みたい:経理代行の見積もりを解説|料金が決まる7つのポイント
導入支援は本当に必要?
クラウド会計は、自社だけで導入することも可能です。
一方で、「導入したのに思ったほど業務が楽にならなかった」という企業も少なくありません。
その原因の多くは、ソフトではなく設定や運用方法にあります。
例えば、
- 銀行口座を連携しただけで自動仕訳を設定していない
- 紙やExcel中心の運用を続けている
- 勘定科目や運用ルールが整理されていない
といった状態では、クラウド会計本来の効果を十分に発揮できません。
導入支援では、こうした初期設定だけでなく、業務フロー全体の見直しまでサポートしてもらえる場合があります。
費用はかかりますが、経理業務の効率化を重視する企業にとっては、十分に検討する価値があるでしょう。
③ 運用サポート費用
クラウド会計は、一度導入すれば終わりではありません。
会社の成長に伴い、
- 銀行口座の追加
- クレジットカードの追加
- 部門管理の開始
- 新しい取引先への対応
など、設定や運用方法を見直す場面が出てきます。
そのため、会計事務所や経理代行会社へ継続的なサポートを依頼する企業もあります。
運用サポートでは、
- 自動仕訳ルールの追加
- 操作方法の相談
- 法改正への対応
- 業務フロー改善の提案
などを受けられるケースがあります。
毎月の費用は発生しますが、経理体制を継続的に改善したい企業には有効な選択肢です。
合わせて読みたい:経理代行で削減できるコスト・削減できないコスト
freee・マネーフォワード クラウド・弥生の料金や特徴を比較
クラウド会計を選ぶ際、多くの企業が比較するのがfreee・マネーフォワード クラウド・弥生です。
いずれも代表的なクラウド会計ソフトですが、料金だけで選ぶのではなく、自社の業務や運用方法に合ったものを選ぶことが大切です。
| ソフト | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| freee | 簿記の知識が少なくても使いやすい | 経営者自身が経理を行うことが多い企業 |
| マネーフォワード クラウド | 他サービスとの連携が豊富 | 経理業務全体をクラウド化したい企業 |
| 弥生 | 従来の会計ソフトに近い操作性 | これまで弥生シリーズを利用してきた企業 |
料金はプランや利用人数によって異なります。
そのため、「どのソフトが一番安いか」ではなく、自社に必要な機能が含まれているかを基準に比較しましょう。
クラウド会計導入の流れ
クラウド会計は、ソフトを契約しただけでは十分な効果を発揮できません。
一般的には次の流れで導入を進めます。
STEP1 現在の経理業務を整理する
まずは現在の経理業務を整理します。
例えば、
- 使用している会計ソフト
- Excelで管理している業務
- 紙で管理している業務
- 銀行口座やクレジットカードの利用状況
などを確認することで、改善すべきポイントが見えてきます。
STEP2 自社に合ったクラウド会計を選ぶ
会社によって重視するポイントは異なります。
例えば、
- 経営者自身が入力することが多い
- 経理担当者が複数いる
- 請求書や経費精算もクラウド化したい
など、自社の運用に合わせて選ぶことが重要です。
STEP3 初期設定を行う
導入効果を左右する重要な工程です。
設定する内容は、
- 銀行口座との連携
- クレジットカード連携
- 勘定科目の整理
- 消費税設定
- 自動仕訳ルールの作成
などがあります。
ここを適切に設定することで、日々の入力作業を大幅に削減できる場合があります。
STEP4 運用ルールを整備する
クラウド会計は、運用ルールまで整えて初めて効果を発揮します。
例えば、
- 領収書の提出方法
- 請求書の保存方法
- 承認フロー
- 月次締め日
などを統一することで、入力漏れや確認漏れを防ぎやすくなります。
合わせて読みたい:中小企業の経理DX|導入のための実践7ステップ
クラウド会計導入でよくある失敗例
① ソフトだけ導入して運用を変えなかった
紙やExcel中心の業務をそのまま続けてしまうと、クラウド会計へ切り替えても大きな効果は期待できません。
② 自動連携を活用していない
銀行口座やクレジットカードとの自動連携を設定していないため、毎月手入力が発生してしまうケースです。
③ 自動仕訳ルールを設定していない
毎月同じ取引を手入力している企業もあります。
適切にルールを設定すれば、多くの仕訳を自動化できます。
④ 導入費用だけで判断してしまった
月額料金だけを見て契約し、導入支援や運用サポートの費用を考慮していなかった結果、初年度の総額が想定より高くなるケースがあります。
導入時は、ソフト料金だけではなく、導入支援や運用費用まで含めた総額で比較することが重要です。
合わせて読みたい:経理代行の見積もりで追加料金になる要注意項目5選
クラウド会計はこんな会社におすすめ
クラウド会計は、次のような企業で導入効果を実感しやすい傾向があります。
- 月次決算を早くしたい
- 経理担当者が少人数
- 銀行口座やクレジットカードの利用が多い
- 紙やExcel管理が中心
- 経営者がリアルタイムで数字を把握したい
- 経理業務の属人化を防ぎたい
一方で、現在の運用で十分対応できている企業では、急いで導入する必要がないケースもあります。
大切なのは、「自社の課題を解決できるか」という視点で判断することです。
合わせて読みたい:経理代行は高い?料金相場と費用対効果を解説
まとめ
クラウド会計は、多くのサービスで初期費用無料から利用できます。
ただし、導入支援や運用サポートを依頼する場合は別途費用が発生するため、月額料金だけではなく総額で比較することが大切です。
特に確認しておきたい費用は次の3つです。
- 会計ソフトの利用料金
- 導入支援費用
- 運用サポート費用
また、料金だけではなく、自社に必要な機能や運用方法に合ったサービスを選ぶことで、クラウド会計の効果をより実感しやすくなります。
よくある質問
Q. クラウド会計ソフトの初期費用はかかりますか?
多くのクラウド会計ソフトは初期費用無料です。
ただし、導入支援やデータ移行を依頼する場合は別途費用が発生することがあります。
Q. 導入支援は必ず必要ですか?
必須ではありません。
しかし、銀行連携や自動仕訳の設定、業務フローの見直しまで行いたい場合は、専門家へ依頼することで短期間で効果を実感しやすくなります。
Q. クラウド会計を導入すると経理担当者は不要になりますか?
いいえ。
入力作業は減らせますが、請求内容の確認や経営判断など、人が行うべき業務は引き続き必要です。
Q. 導入費用を抑える方法はありますか?
自社で設定を進めることで初期費用を抑えられる場合があります。
ただし、設定ミスによって運用効率が下がるケースもあるため、自社で対応できる範囲を見極めることが重要です。
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