鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理の引き継ぎで失敗する5つの原因

経理担当者の退職や異動時に起こりやすい引き継ぎの失敗原因を5つ紹介し、担当者交代前に確認すべきポイントを解説した記事

経理担当者の退職や異動が決まったとき、多くの企業が最初に考えるのは後任者探しです。 しかし実際には、採用や引き継ぎ資料の作成より先に確認すべきことがあります。 それは、 「現在の経理業務が、担当者以外でも回せる状態になっているか」 という点です。

経理業務は毎月同じ作業を繰り返しているように見えますが、実際には担当者の経験や判断に依存しているケースが少なくありません。 そのため、担当者が退職したタイミングで初めて、 支払業務の流れが分からない 月次決算の進め方が不明 会計ソフトの設定内容が共有されていない 税理士とのやり取りが止まる といった問題が表面化することがあります。

こうしたトラブルの原因は、担当者の能力不足ではありません。 多くの場合、経理業務の属人化が原因です。 今回は、経理の引き継ぎでよく起こる問題と、事前に確認しておきたいポイントについて解説します。

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目次

なぜ経理の引き継ぎは失敗するのか

経理の引き継ぎがうまくいかない企業には共通点があります。 それは、業務の流れや判断基準が担当者個人の中に蓄積されていることです。 例えば、 「毎月このタイミングで支払処理をしている」 「この取引先だけは特別な対応をしている」 「税理士にはこの資料を送っている」 といった運用が口頭や経験則で行われているケースは珍しくありません。 担当者が在籍している間は問題なく見えても、退職や休職が発生すると業務がブラックボックス化していることに気付くのです。

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1. 支払業務が担当者しか分からない

経理の引き継ぎで最も多いトラブルの一つが支払業務です。 請求書の保管場所や支払スケジュールが共有されていない場合、担当者が退職した後に支払漏れが発生することがあります。 実際に、 「請求書は担当者のメールボックスにしかなかった」 「支払予定表が個人のExcelで管理されていた」 というケースも少なくありません。 支払漏れは取引先との信頼関係に影響するため、引き継ぎ前に支払フローや承認フローを整理しておくことが重要です。

2. 月次決算の進め方が共有されていない

月次決算も属人化しやすい業務です。 試算表は毎月作成されていても、 どの順番で処理しているのか どこを重点的に確認しているのか 決算整理仕訳をどう計上しているのか が共有されていないことがあります。 ある企業では、経理担当者の退職後に後任者が月次決算を引き継いだものの、処理手順が分からず試算表の完成が1か月以上遅れたケースもありました。 経営者にとって月次決算は経営状況を把握するための重要な資料です。 担当者が変わっても同じ品質で作成できる体制が求められます。

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3. 会計ソフトやクラウドサービスの管理者が不明

近年はクラウド会計やクラウドストレージを利用する企業が増えています。 一方で、 「管理者アカウントを誰が管理しているか分からない」 という問題もよく発生します。 例えば、 会計ソフト インターネットバンキング Google Drive Dropbox などの管理権限が退職者のままになっているケースです。 実際に、退職後にログインできなくなり、設定変更やデータ確認に時間を要した企業もあります。 引き継ぎでは業務だけでなく、システム権限の整理も忘れてはいけません。

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4. 税理士とのやり取りが共有されていない

税理士とのコミュニケーションも見落とされやすいポイントです。 税理士への資料提出や質問対応を担当者が一人で行っている場合、退職後に何をいつ提出すればよいのか分からなくなることがあります。 特に、 毎月提出している資料 決算前の確認事項 消費税や年末調整の対応 などは定期的に発生するため、対応履歴を残しておくことが重要です。 税理士とのやり取りが属人化していると、決算や申告スケジュールにも影響が出る可能性があります。

5. 業務の全体像を誰も把握していない

最も深刻なのは、経理業務全体を説明できる人がいない状態です。 担当者が優秀であるほど、 「自分でやった方が早い」 となり、業務が個人に集中しやすくなります。 その結果、 業務一覧がない マニュアルがない 担当範囲が曖昧 という状態になり、引き継ぎの難易度が高くなります。 引き継ぎを成功させるためには、まず経理業務全体を見える化することが必要です。

引き継ぎ前に確認したいチェックポイント

担当者交代前には、最低限以下の内容を整理しておきましょう。

銀行関連 利用銀行一覧 インターネットバンキング権限 支払スケジュール 会計関連 会計ソフト 勘定科目ルール 月次決算手順 証憑管理 請求書保管場所 領収書管理方法 電帳法対応状況 社外関係者 税理士 社労士 金融機関 これらを整理しておくだけでも、引き継ぎ時の混乱を大幅に減らすことができます。

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引き継ぎを楽にするために必要なのは「経理DX」

引き継ぎで苦労する企業の多くは、業務が人に依存しています。 一方で、担当者が変わってもスムーズに業務が回る企業には共通点があります。 それは、 クラウド会計を導入している データを共有管理している 業務フローが標準化されている という点です。 引き継ぎを楽にするためには、その場しのぎの資料作成ではなく、経理業務そのものを仕組み化することが重要です。

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まとめ

経理の引き継ぎで問題が発生する原因は、担当者の退職そのものではありません。 本当の原因は、 支払業務が属人化している 月次決算がブラックボックス化している システム権限が整理されていない 業務フローが見える化されていない といった状態にあります。 担当者が変わっても業務が止まらない会社は、個人ではなく仕組みで経理業務を運用しています。 まるまる経理では、経理代行だけでなく、 業務フローの整理 マニュアル整備 クラウド会計導入支援 経理DX支援 まで対応しています。 「経理担当者の退職が決まった」 「経理業務の属人化を解消したい」 「引き継ぎで困らない体制を作りたい」 という場合は、お気軽にご相談ください。

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