「経理業務を効率化したい」と考え、freeeを導入したものの、
「思っていたほど業務が楽にならない」
「以前と比べて入力作業は減ったけれど、月末は相変わらず忙しい」
と感じている方もいるのではないでしょうか。
freeeは、多くの中小企業で利用されているクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードとの自動連携、自動仕訳、請求書や経費精算との連携など、経理業務を効率化するためのさまざまな機能が搭載されています。
しかし、freeeを導入しただけで経理業務が自動的に効率化されるわけではありません。
実際には、
- 手入力が残っている
- 月次決算がなかなか早くならない
- 担当者しか操作方法が分からない
- 社長が今も経理業務を行っている
といった状態が続き、「導入前とあまり変わらない」と感じる企業も少なくありません。
このような場合、原因はfreeeそのものではなく、業務の進め方や運用体制にあるケースがほとんどです。
この記事では、freeeを導入しても経理が楽にならない主な原因と、運用を改善するために見直したいポイントを解説します。
経理業務全体におけるAI活用について知りたい方は、こちらも参考にしてください。
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freeeを導入しても経理が楽にならない5つの原因
① 業務フローが整理されていない
freeeは会計ソフトであり、経理業務そのものを自動で改善する仕組みではありません。
例えば、
- 請求書の受け取り方法が部署ごとに異なる
- 経費精算の流れが決まっていない
- 証憑の保管場所が統一されていない
- 承認方法が担当者によって異なる
といった状態では、会計ソフトだけ新しくしても業務効率はあまり変わりません。
紙で受け取った請求書を担当者が入力し、その後別の担当者が内容を確認するという流れが残っていれば、入力や確認にかかる時間は導入前と大きく変わらないでしょう。
まずは、「誰が・いつ・どのような流れで処理するのか」という業務フローを整理し、そのうえでfreeeの機能を活用することが重要です。
② 銀行口座やクレジットカードとの連携を十分に活用できていない
freeeの大きな特長の一つが、銀行口座やクレジットカードとの自動連携です。
入出金データを自動で取得できるため、毎回手入力する必要がなくなり、仕訳作成の負担を軽減できます。
しかし実際には、
- 一部の口座しか連携していない
- 連携エラーを放置している
- 自動取得できる取引も手入力している
といったケースも少なくありません。
例えばfreeeでは、銀行口座やクレジットカードを連携すると、入出金データを自動で取得し、過去の登録内容をもとに取引候補を表示する機能があります。
しかし、連携エラーを放置したり、登録ルールが統一されていなかったりすると、毎回内容を確認・修正する必要が生じ、自動化による効果を十分に得られません。
「自動で取り込める環境を整えること」と、「修正が少なくなる運用ルールを作ること」の両方が重要です。
③ 勘定科目や登録ルールが統一されていない
担当者ごとに入力方法が異なると、月末になってから確認や修正が増えてしまいます。
例えば、
- 同じ支出でも担当者によって勘定科目が異なる
- 摘要の入力方法が統一されていない
- 証憑の添付方法が人によって違う
このような状態では、freeeが持つ自動登録機能や検索機能も十分に活用できません。
また、入力ルールが統一されていないと、担当者が交代した際にも運用を引き継ぎにくくなります。
例えば、同じ通信費でも担当者によって「通信費」と「消耗品費」で登録されていると、freeeの登録ルールや自動登録機能を活用しにくくなります。
勘定科目や摘要の入力ルールを統一することで、自動登録の精度が上がり、確認や修正にかかる時間も減らしやすくなります。
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④ 社長自身が経理業務を続けている
創業間もない企業では、社長自身がfreeeへ入力しているケースも珍しくありません。
しかし、事業が成長しても同じ体制を続けていると、経理業務が後回しになりやすくなります。
例えば、
- まとめて入力するため月次決算が遅れる
- 入力漏れや確認漏れが発生する
- 資金繰りをリアルタイムで把握しにくい
- 経営判断に必要な数字をタイムリーに確認できない
といった状況につながることがあります。
freeeは便利なツールですが、入力する時間そのものを生み出してくれるわけではありません。
経営者が本来注力すべき業務へ時間を使えるよう、経理体制そのものを見直すことも重要です。
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⑤ freeeの運用担当者が決まっていない
freeeは導入して終わりではなく、継続して運用していくことが重要です。
しかし、
- 誰が運用を担当するのか決まっていない
- 担当者が退職してしまった
- 一人しか操作方法を理解していない
といった状態では、十分に活用することはできません。
例えば、
- 新しい取引先の登録
- 銀行口座との連携設定
- 自動登録ルールの見直し
- 権限設定の変更
などを担当者一人しか把握していない場合、その担当者が不在になるだけで運用が止まってしまうことがあります。
また、freeeは継続的に機能が追加・改善されていますが、運用担当者がいないと新しい機能を活用できず、導入当初と同じ使い方を続けてしまうケースも少なくありません。
継続的に効果を得るためには、担当者任せにするのではなく、運用ルールや設定内容を社内で共有できる体制を整えることが重要です。
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freeeを導入しても経理が楽にならない会社の共通点
ここまで紹介した5つの原因には、共通する特徴があります。
それは、
「会計ソフトを導入すれば、自動的に経理が効率化する」と考えてしまっていることです。
もちろん、freeeには入力や仕訳作成を支援する便利な機能があります。
しかし、それらを十分に活用するためには、
- 業務フローが整理されている
- 入力ルールが統一されている
- 必要な資料が適切に管理されている
- 運用担当者が決まっている
という土台が欠かせません。
例えば、次のような状態では、freee本来の効果を十分に発揮できません。
| よくある状態 | 見直したいポイント |
|---|---|
| 手入力が多い | 銀行連携や自動登録を活用する |
| 担当者ごとに入力方法が違う | 勘定科目・摘要ルールを統一する |
| 証憑の保管場所がバラバラ | 保存場所や提出方法を統一する |
| 社長が空いた時間に入力している | 役割分担を見直す |
| 月末にまとめて処理している | 日常的に入力・確認する運用へ変更する |
会計ソフトは、経理業務を支えるための仕組みの一つです。
業務フローや運用ルールが整っていなければ、どれだけ便利な機能があっても期待した効果は得られません。
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freeeを活用するために見直したいポイント
freeeを十分に活用するためには、会計ソフトだけを見るのではなく、経理業務全体を見直すことが重要です。
例えば、
- 請求書や領収書の受け取り方法を統一する
- 銀行口座やクレジットカードとの連携状況を確認する
- 勘定科目や摘要の入力ルールを統一する
- 証憑の保存方法を決める
- 運用手順を担当者間で共有する
こうした見直しによって、入力や確認にかかる時間を減らし、freeeの機能をより効果的に活用できるようになります。
また、不明取引の確認や経費判断などは、AIを組み合わせることでさらに効率化できる場合があります。
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公認会計士の視点
実際のご相談では、「freeeを導入したので入力作業は減ったものの、月末になると確認や修正に多くの時間がかかる」というケースをよく見かけます。
詳しく確認すると、担当者ごとに勘定科目の使い分けが異なっていたり、証憑の提出方法が統一されていなかったりと、会計ソフトではなく運用ルールに原因があることが少なくありません。
一方で、入力ルールや承認フローを整理した企業では、同じfreeeを利用していても修正作業が減り、月次決算が以前より早く進むケースも多く見られます。
会計ソフトを変更する前に、「現在の運用方法で改善できることはないか」という視点で見直すことが、効率化への近道といえるでしょう。
FAQ
Q1. freeeを導入すれば経理業務は自動化できますか?
freeeには自動連携や自動登録など、入力作業を効率化する機能があります。ただし、業務全体が自動化されるわけではありません。業務フローや運用ルールを整えることで、より高い効果が期待できます。
Q2. freeeとAIを組み合わせるメリットはありますか?
あります。不明取引の確認や確認メールの作成、経費判断の補助などにAIを活用することで、確認業務をさらに効率化しやすくなります。
Q3. freeeの運用を見直すタイミングはありますか?
月次決算が遅れるようになった場合や、担当者しか操作方法が分からない状態になっている場合は、運用体制を見直すタイミングと考えられます。
まとめ
freeeを導入しても経理が楽にならない原因は、会計ソフトそのものではなく、業務フローや運用体制にあるケースが多く見られます。
例えば、
- 業務フローが整理されていない
- 銀行口座やクレジットカードとの連携を活用できていない
- 勘定科目や登録ルールが統一されていない
- 社長自身が経理業務を続けている
- 運用担当者が決まっていない
といった課題があると、freee本来の機能を十分に活かすことはできません。
まずは現在の運用方法を見直し、必要に応じて業務フローやルールを整理することで、経理業務の効率化につながります。
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