鷲見明(公認会計士) この記事の監修者:鷲見明(公認会計士)

経理代行が向いている会社・向いていない会社とは?導入判断のポイントを解説

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経理代行を検討していても、「自社に本当に向いているのか」「外注してもかえって手間が増えないか」と迷うことがあります。

経理代行との相性は、会社の規模だけでは決まりません。

重要なのは、現在の経理体制にどのような課題があり、外部と業務を分担できる状態かどうかです。

まずは、自社の状況を簡単に確認してみましょう。

目次

経理代行が向いているか分かる簡易診断

現在の状況経理代行との相性
経理担当者を採用できない高い
一人経理で業務が集中している高い
経理担当者の退職・休職が予定されている高い
社長や役員自身が経理をしている高い
月次処理の遅れが続いている高い
オンラインで資料・データを共有できる高い
社内に確認・最終承認する人がいる高い
毎日の常駐対応が必須低い
現金・紙中心で運用変更が難しい要検討

一つでも「高い」に当てはまれば必ず経理代行を導入すべき、という意味ではありません。

反対に「要検討」の項目があっても、資料共有や業務フローを見直すことで利用できる場合があります。

大切なのは、今の経理で何に困っていて、その問題を社内と外部の役割分担で解決できるかです。

合わせて読みたい:経理代行で会社はどう変わる?導入効果を徹底解説

経理代行が向いている会社

経理担当者を採用できない会社

経理経験者を募集していても、

  • 応募が集まらない
  • 採用まで時間がかかっている
  • 条件に合う人材を確保できない

といった会社では、採用だけに頼らず経理体制を考える必要があります。

採用が決まるまで社長や他部署が経理を兼務すると、本来の業務に使う時間が減り、経理処理も遅れやすくなります。

このような場合、日常的な経理実務を外部と分担し、社内では確認や承認を行う体制を検討できます。

特に5~100名程度で、経理担当者を一人採用するか、外部を活用するか迷っている企業は検討しやすいケースです。

一人経理で業務が集中している会社

一人の担当者が、

  • 請求
  • 支払
  • 記帳
  • 経費精算
  • 入出金確認
  • 月次処理

まで抱えている場合、その人が休んだだけでも業務が止まることがあります。

普段は問題なく処理できていても、退職や長期不在が発生すると、ほかの人が業務内容を把握できていないこともあります。

外部も含めて複数人で処理できるようにすることで、一人の担当者だけに依存しない体制を作りやすくなります。

経理担当者の退職・休職が予定されている会社

退職や休職が決まっている場合も、経理代行を検討しやすい状況です。

後任採用だけで対応しようとすると、採用が間に合わないことがあります。

特に、

  • 支払
  • 請求書発行
  • 給与関連資料
  • 月次処理

などは、担当者が不在になっても止められません。

現担当者が在籍している間に業務を整理し、外部との分担を始められれば、処理手順や過去の判断も確認しながら引き継げます。

社長や役員自身が経理をしている会社

創業直後は、社長自身が振込や請求、会計入力を行うこともあります。

取引が少ないうちは対応できても、事業が大きくなるにつれて経理に使う時間も増えます。

例えば、

  • 支払処理のためにまとまった時間を取られている
  • 月末になると会計入力がたまる
  • 本来の経営業務より経理作業を優先することがある

という状態なら、定型業務を切り出す余地があります。

経理代行を使う目的は、経営者が数字を見なくてよくなることではありません。

作業は外部と分担し、重要な判断・承認は会社側に残すという形が基本です。

月次処理の遅れが続いている会社

一度だけ月次が遅れたからといって、経理代行が必要とは限りません。

ただし、

  • 会計入力が毎月たまる
  • 未処理事項を翌月へ持ち越している
  • 残高確認まで手が回らない
  • 試算表の完成が毎月遅い

といった状態が続いている場合は、現在の人員や業務フローが業務量に合っていない可能性があります。

外部へ定型業務を分けることで、社内担当者が確認・判断・月次数値のチェックに時間を使えるようになります。

合わせて読みたい:経理代行で改善できること・できないこととは?導入前に知っておきたいポイント

オンラインで資料やデータを共有できる会社

オンライン型の経理代行では、

  • クラウド会計
  • インターネットバンキング
  • クラウドストレージ
  • PDF化した請求書や証憑

などを利用して業務を進めます。

導入時点ですべてデジタル化されている必要はありません。

ただし、紙を手渡しする方法だけに限定せず、必要な資料をデータで共有する運用へ移行できる会社の方が利用しやすくなります。

社内に確認・最終承認する人がいる会社

経理代行へ実務を任せても、会社側の役割がなくなるわけではありません。

例えば、

  • 取引内容について回答する
  • 支払いを最終承認する
  • 例外的な取引を判断する
  • 月次数値を最終確認する

といった役割は社内に残ります。

代表者や管理部門責任者など、最終的に判断する人が明確な会社ほど、外部との役割分担がしやすくなります。

経理代行が向いていない・導入前に整理したい会社

毎日の常駐対応が必要な会社

オンライン型の経理代行では、担当者が毎日会社に常駐することを前提としていません。

そのため、

  • 紙資料をその場ですぐ確認してほしい
  • 社内でしか使えないシステムを常時操作してほしい
  • 毎日の対面対応が必要

という業務が中心の場合は、社員採用や常駐型サービスの方が合う可能性があります。

現金・紙中心で運用変更が難しい会社

現金取引や紙資料があるだけで経理代行を使えないわけではありません。

ただし、すべての証憑を紙だけで管理し、データ共有もできない場合は、オンラインで業務を進めにくくなります。

導入する場合は、

  • 書類をPDF化する
  • 保存場所を決める
  • 共有できる資料を増やす

など、最低限の情報共有方法を整える必要があります。

判断まで全部外部へ任せたい会社

経理代行は、会社の意思決定まで代わりに行うサービスではありません。

例えば、

  • この支払いを実行するか
  • この契約を締結するか
  • 例外的な取引を会社としてどう扱うか

といった判断は会社側に残ります。

実務を外部へ任せても、重要な判断・承認まで丸ごと外部へ移すことはできません。

社内の窓口や承認者を決められない会社

経理代行では、処理中に確認事項が発生します。

誰に質問するのか、誰が承認するのかが決まっていなければ、外部へ依頼しても確認待ちで業務が止まります。

経理担当者がいない場合でも、

「この人に確認すれば会社として回答できる」

という窓口は必要です。

現在の経理方法を一切変えたくない会社

外部と業務を分担する場合は、

  • 資料提出日
  • 保存場所
  • ファイル名
  • 承認方法
  • 確認期限

など一定のルールを決めます。

現在の方法に問題があっても、運用を一切変更できない場合は、経理代行を導入しても効果が出にくくなります。

逆に、必要な範囲で手順を整理できる会社であれば、現在の経理が完全に整っていなくても検討できます。

会社規模だけで向き・不向きを決めない

「従業員何人から経理代行を使うべきか」と考えることがあります。

しかし、同じ20名の会社でも、

  • 経理担当者が複数いる
  • 一人経理になっている
  • 社長が経理を兼務している
  • 月次が翌々月まで遅れている

など、状況は大きく異なります。

まるまる経理では5~100名程度の企業を主な対象としていますが、人数だけで導入判断をするものではありません。

特に、

  • 経理採用に困っている
  • 一人経理への依存を減らしたい
  • オンラインで業務を進められる
  • 社内に最終承認者がいる

といった会社とは、役割を分けやすくなります。

重要なのは、外部へ任せる実務と、社内に残す判断を分けられるかどうかです。

判断に迷ったら「何に困っているか」から確認する

経理代行が向いているか迷った場合は、「経理代行を使うべきか」から考える必要はありません。

現在の問題から整理します。

経理を採用できない
→ 日常経理を誰が担うか

一人経理になっている
→ 担当者が不在でも業務を続けられるか

月次が遅い
→ 人手不足なのか、業務フローに問題があるのか

社長が経理をしている
→ 社長自身が行う必要のない定型業務を分けられないか

課題によっては、すべての経理を外注する必要はなく、一部業務だけを切り出す方が適している場合もあります。

実際にどのような課題を持つ企業が経理代行を利用しているか確認したい場合は、事例を見ると判断しやすくなります。

合わせて読みたい:経理代行の成功事例5選 課題別に解説

また、費用をかけて外部へ任せる効果まで確認したい場合はこちらです。

合わせて読みたい:経理代行の投資対効果とは?導入後の改善効果を数字で検証

まとめ

経理代行が向いているかどうかは、「会社が大きいか小さいか」だけでは判断できません。

検討しやすいのは、

  • 経理担当者を採用できない
  • 一人経理に依存している
  • 担当者の退職・休職が予定されている
  • 社長や役員が日常経理まで行っている
  • 月次処理の遅れが続いている
  • オンラインで資料を共有できる
  • 社内に確認・承認する担当者がいる

といった会社です。

一方、毎日の常駐が必須だったり、紙・現金中心の運用を一切変更できなかったり、会社としての判断まで外部へ任せたい場合は、導入前に整理が必要です。

判断するときは、

「経理代行を利用できるか」ではなく、「現在どこに困っていて、どの実務を外部と分担できるか」

を確認することが大切です。

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